小学校外国語学習指導要領案 自らの思考伝え合う場を

学習指導要領案 教科・領域改訂のポイントをどう考えるか 〈13〉小学校外国語活動、外国語科

2月14日に公表された学習指導要領案の小学校外国語活動、外国語科について、改訂のポイントを、小学校英語教育学会会長の萬谷隆一北海道教育大学教授は、次のように指摘する――。


◇音声表現を固まりとして使う◇

教科化に伴い、高学年の小学校外国語科は、時間数が現行の2倍の70時間になることもあり、系統的に既習表現を何度も繰り返し使うことで定着を図る教科指導が求められる。

言語材料も明示され、習得すべき事項も明確になった。語彙も600~700語に増え、新しい文法事項も増えるが、一方的な文法説明や教え込みは避けるべきで、あくまで場面の中で音声表現を固まりとして実際に使いながら学ぶのが大切だ。言語材料ごとに受容レベルの習得にとどめるものと表出レベルまで上げるものを区別するよう求めている点にも注目したい。

◇早期の英語嫌いにつながらないように◇

「知識・技能」で2点指摘したい。第1は、読むこと、書くことは気づきや定着につながる利点があるが、児童にとって高い負荷をかける可能性があり、慎重かつ丁寧な授業づくりが必要という点。この2技能が「慣れ親しみ」レベルで抑制的な目標設定がなされているのにも留意したい。

いきなり書かせたり読ませたりするのではなく、まず、意味的な手がかりを豊かに伴わせた音声中心の指導を心がけた上で、「あの単語は文字で表すとこうなるんだ」などの気づきを積み重ね、無理なく読み書きに転移するよう丁寧な指導が求められる。

第2に、新指導要領が目指す英語の表現力を定着させていく中で、話すこと、書くことの「発表技能」が最終ゴールとして意識されることが多くなるが、インプットを聞いて理解したり、文字を見て識別し分かる経験を豊富に与え、「受容技能」を耕すのをぜひ大切にしてほしい。長く複雑な文を覚えて話させたり、書かせたりするのを急ぐと、子供は自信をなくし、早期の英語嫌いにつながる。

◇本来のコミュニケーションを志向◇

教科としての外国語科は、「知識・技能」の定着が意識されるが、この定着が全てではない。

今後予想される指標形式の目標群をもとにした指導・評価においては、語彙や表現を覚えれば事足りるのではなく、それらを使って「何ができるようになるか」に焦点があたるからである。

「思考力・判断力・表現力」が目標のひとつに設定されたため、これからの授業では「知識・技能」の定着を適切に担保しつつも、決まったせりふを言い合うのではなく、自らの思考・判断を英語にのせて伝え合う場面を設定する必要がある。

自分はこう考える、これが好み、これが嫌い、など、目的・場面・状況を意識した本来のコミュニケーションを志向したい。伝えがいのあるやりとりを子供たちが実感できる授業・活動設計が大切だ。

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