小・中学校体育科学習指導要領案 開かれた学びで歓迎

学習指導要領案 教科・領域改訂のポイントをどう考えるか 〈14〉小・中学校体育科

2月14日に公表された学習指導要領案の小・中学校体育科について、改訂のポイントを、日本体育科教育学会会長の岡出美則筑波大学体育系教授は、次のように指摘する――。


◇する・みる・支える・知る◇

誰もがスポーツを好きになって、スポーツと多様に関われるようになってほしい。またスポーツを豊かな文化にするため、積極的に関わる人が増えてほしい。そのために、体育の授業は誰にでも開かれた窓口になってほしい。

このような観点で、今回の学習指導要領案を見ると、スポーツへの多様な関わり方として、「する」「みる」「支える」に、「知る」が加えられたのを、まずは歓迎したい。

体育の授業で、「する」だけではなく、多様な関わり方を学べる機会がより保障されるのを期待する。実際、学習指導要領案では、スポーツとの多様な関わり方を楽しめるようにするのを意図している。運動に対する興味や関心を高め、技能の指導に偏らず、「する」「みる」「支える」に「知る」を加え、3つの資質・能力をバランスよく育める学習過程を工夫するのが求められている。

◇価値に触れる◇

「公正、協力、責任、参画、共生、健康・安全」など、運動やスポーツの価値に触れる点を求めているのも評価したい。

今日、スポーツを通した価値教育が国際的に展開されている。そこでは、スポーツを通して、個人の可能性や価値、社会的に共有したい価値を子供たちが豊かに学習できる可能性が示唆されている。体育の授業で学んだものを社会で実現していくのも期待されている。

このような観点から、改めて体育の授業の可能性を評価したい。

◇保健・体育分野を一層関連づける◇

保健分野と体育分野の授業を一層関連づけながら、体力や技能、性別などにかかわらず、運動の多様な楽しみ方を共有できるようにする点と障害のある児童生徒に対応した指導内容や指導方法の計画的、組織的な工夫が求められているのも評価できる。

指導内容が知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等に整理され、示されるようになった点に戸惑う向きも多いのではないか。

ただ、それらの記述は、現行の記述を踏まえたものである。他方、そこで期待されている学習成果を豊かに保障するためには、授業のねらいに即した精緻な計画や手続の実行が求められる。

現行学習指導要領の下で共通認識されてきた、質の高い授業実施に必要な経験や知識、技能が、個人や学校、地域で共有され、教師、児童、生徒、保護者それぞれにとって価値を感じられる体育の授業が、全国で展開されるようになるのを期待したい。

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