中学校美術科学習指導要領案 生活や社会との関係重視

学習指導要領案 教科・領域改訂のポイントをどう考えるか 〈16〉中学校美術科

中学校学習指導要領案の美術科について、改訂のポイントを、全国造形教育連盟の委員長を務める大野正人東京都杉並区立井草中学校長は、次のように指摘する――。


◇美術文化についての理解を深める◇

今回示された学習指導要領の改訂案は、社会に開かれた教育課程、現行内容の維持の上、知識の理解の質を高め資質・能力を育む「主体的・対話的で深い学び」等、全教科等にわたる系統的な改訂の方向性の下に編成されている。

図画工作、美術の改訂のポイントとしては、感性や創造性を働かせ、生活や社会の中の形や色、美術、美術文化などと豊かに関わる資質・能力の育成を目指した基本的な考えの下、生活を美しく豊かにする造形や美術の働き、美術文化についての理解を深める学習を充実させること、形や色などの造形的な視点で捉えることについて、図画工作科および美術科において育成を目指す知識としての位置付けを明確化している。

中学校美術科においても表現と鑑賞の活動を通し、造形的な見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力の育成を目指している。また学年の目標においても、これまでの意欲・態度の項目、表現の能力の項目、鑑賞の能力の項目であった形式から、造形的な視点についての理解と意図に応じた創造的な表現に関する項目、主題を生みだし豊かに発想・構想したり美術や美術文化に対する見方や感じ方を広げ深めたりすることに関する項目、創造活動の喜びを味わい美術を愛好する心情、心豊かな生活を創造していく態度の育成に関する項目としている。

◇言語活動をA表現でもB鑑賞でも◇

生活を美しく豊かにする美術の働きや美術文化についての理解を深める視点から、B鑑賞を「美術作品などの見方や感じ方」に関する学習と「生活の中の美術の働きや美術文化についての見方や感じ方」に関する学習とに分けて整理された。また、表現および鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力である共通事項に、形や色などの造形的な視点で捉えることを知識として位置付け、取り扱いを明示し、学習内容の改善・充実を図っている。

さらに、言語活動を現行の鑑賞のみならずA表現およびB鑑賞の指導において扱うこと、発達の特性を考慮した指導などについて各学年において明記されたこと、知的財産に関する取り扱いの記載を充実し、創造性を尊重する態度を育成することや態度の育成が、美術文化の継承、発達、創造を支えていることへの理解につながるよう配慮することを明記し、学習指導の改善・充実を目指した改訂となっている。

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