いじめ防止の基本方針改定 組織的で迅速な対応求める

基本方針の周知徹底を図ると語る松野文科相
基本方針の周知徹底を図ると語る松野文科相

文科省は3月16日、いじめ防止のための基本的な方針を改定し、いじめの重大事態の調査に関するガイドラインを策定した。改定された方針では、全教職員体制でのいじめ対策を認知させる点や、子供からの相談に速やかに対応する組織的な取り組みなどを示した。東日本大震災の原発事故で避難中の児童生徒や発達障害、外国人、性同一性障害などの子供たちへの配慮も盛り込んでいる。

同基本方針の改定は、いじめ防止対策推進法の施行3年をめどにした見直しの規定に基づき、行われた。

学校でのいじめ防止への措置では、全教職員による「いじめ対策組織」の存在と活動を、子供たちに認知してもらう取り組みを工夫すると明示。いじめを許さない雰囲気を校内で醸成するために、教職員がいじめの未然防止の授業を実施するなどを挙げている。

いじめに対する措置では、児童生徒から教職員にいじめの報告や相談があった際には、教職員は他の業務に優先して対応するとした。その際、学校いじめ対策組織に報告し、組織的な対応につなげるものとした。

発達障害を含む障害のある児童生徒へのいじめ防止では、個々の障害特性を理解し、個別の支援計画を生かして情報共有を行うとしている。

性同一性障害への対応では、教職員が同障害について正しい理解を深め、学校は必要な対応を周知するとした。

東日本大震災と原発事故で避難している子供たちへの対応では、教職員が、被災児童生徒の心身の影響や慣れない環境での不安を十分に理解するとし、適切な心のケアや注意を求めている。保護者との連携を図り、いじめの未然防止と早期発見に取り組むとした。

ガイドラインは、いじめの重大事態の定義や発生時の報告、調査の進め方などをまとめている。

被害児童生徒や保護者から、いじめで重大な被害が生じたとの申し立てがあった際には、学校がその時点で「いじめの結果ではない」「重大事態とは言えない」と考えたとしても、重大事態が発生したものとして報告し調査に当たるなどと説明する。

改定方針とガイドラインは、全国の教育長に通知された。

松野博一文科相は会見で、「今回の改定と策定では、いじめの早期発見と学校での組織的対応を強く求めている。いじめの重大事態が発生した際の迅速で適切な対応についても、より具体的に記載した。各種研修会などで新しい基本方針の周知徹底を図りたい」と話した。