子供の自殺予防策強化を 夏休み明け前後に着目

文科省は、夏休み明け前後に急増する傾向がある児童生徒の自殺予防に向けた取り組みの強化を、都道府県教委などにこのほど通知で依頼した。学校でのアンケートなどによる子供の悩みを受け止める体制や、いじめ、不登校の早期発見を、長期休みの前から推進するなどを求めている。

通知では、厚労省の自殺対策白書などから、18歳以下の自殺が8月下旬から9月上旬にかけての、学校の長期休業明け前後に急増する傾向があると指摘。学校として、子供の自殺予防について体制を整え、保護者や地域、関係機関と協働して進めてほしいと訴える。

具体的な取り組みの視点としては、▽学校での早期発見▽保護者への家庭での見守り▽学校内外での集中的な見守り活動▽ネットパトロールの強化――を挙げる。

学校の早期発見では、各校で長期休業の開始前からアンケートや教育相談などを実施し、悩みを抱える子供たちの早期発見に努めるとする。悩みを抱えていたり、いじめを受けていたりしている子供には、長期休業期間中でも、登校日や部活動、保護者との連絡、家庭訪問などの機会を捉えて、継続的に様子を確認するとしている。特に長期休業の終了前には、子供の心身の状況変化に注意する必要があるとする。

子供に自殺の兆候がみられた場合には、特定の教員だけで抱え込まず、保護者や医療機関などと連携して組織的に対応するとも。子供の悩みや相談を広く受け取れるように「24時間子供SOSダイヤル」などの相談窓口の周知を、長期休業前に積極的に実施する点も示した。

保護者の家庭での見守りでは、保護者が把握した子供の悩みや変化について学校に積極的に相談できるよう、学校の相談窓口を周知してもらうのが重要とした。

学校内外の集中的な見守り活動に向けては、長期休業明けの前後に、学校として保護者や地域、関係機関などと連携した子供たちの見守り強化を示した。特に、子供が自殺を企図する可能性が高い場所では、この時期に集中的な見守り活動を実施するのが有効と強調した。

この線に沿って、鉄道での自殺防止では、鉄道会社などと連携して子供が多く利用する駅や踏切の見守り活動を、長期休業明け前後に集中的に実施するのが考えられるとした。

インターネット上で、自殺をほのめかす子供の書き込みを発見するのは、自殺を企図する子供を発見する端緒になる。そのため、都道府県教委などによるネットパトロールは、長期休業明けの前後に、平時よりも頻度を上げてパトロールを集中的に実施するべきとした。

自殺対策基本法第17条第3項を踏まえ、各学校で自殺予防の教育や啓発が進むよう、適切な指導や支援の必要性も強調。同法に基づく平成28年の児童生徒の自殺調査では、小学生12人、中学生93人に対して、高校の自殺者が214人と多くなっている。高校での対策の充実や同省が教職員向けに作成した手引「子供に伝えたい自殺予防」などの周知と活用を訴えている。

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