アバター通学など工夫 広域通信制高校で協力者会議

工夫された制度などが報告された
工夫された制度などが報告された

文科省の広域通信制高等学校の質の確保・向上に関する調査研究協力者会議は、第7回の会合を7月5日、東京都港区の虎ノ門SQUAREで開いた。インターネットを活用した独自の学習環境を設けている明聖高校のWEBコースの実践報告や、同省の高校通信教育に関する調査結果などから、今後の高校通信教育の質確保や向上が論点となった。

千葉市にある学校法人花沢学園明聖高校は、平成27年にネットを通じた学習を行うWEBコースを開設。同コースには、不登校経験などをのある生徒が多数在籍。学習や人生への一歩を踏み出せずに悩む生徒たちを丁寧に支えるために、ネット内の学校「サイバー学習国」を設けているのが特徴。

生徒は学習国の中の学校にアバターを通じて通学。教員もアバターで授業を進める。教科ごとに動画の独自教材を配信。授業の理解度を確認する「サイバーチェック」を行う中で、学習意欲の促進と確かな学習定着を図っているなどと報告した。

同省は、高校通信教育の全国調査の結果を示した。調査対象は、通信制課程を置く公立、学校法人立、株式会社立の高校241校。在籍生徒の学習状況や同課程で重視している取り組みなどをまとめた。

平成28年度中に1科目も履修していない生徒の数と割合は、公立校の在籍者5万6266人のうち2万2396人、40%に及んだ。学校法人立は10万9578人のうち3729人、3.4%、株式会社立は1万2265人のうち222人、1.8%だった。

同課程で特に重視して取り組んでいる内容は「生徒の履修や学習状況のきめ細かな把握と管理」が85.5%で最多。「進路指導やキャリア教育」が67.2%、生徒の回答を踏まえた添削コメントや課題の作成など「添削指導の充実」が63.9%などと続いた。

明聖高校のWebコースについて委員は「学習者が生徒本人かの確認体制」「サイバーチェックの頻度や単位の取得率」「実技や演習などの指導体制」などについて質問した。

全国調査については、公立通信制高校の校長を務める委員が「1科目も履修していない生徒の数と割合が公立校で多いのが目に付いた」と語った。

その背景としては、公立の通信制高校は、スクーリングなどで学校に通学してくる生徒への対応は密だが、学校に来ない生徒への対応が薄い点が考えられるとした。加えて、この公立校での対応について、その要因が、昔の通信制高校の制度と生徒像が、そのまま現在に持ち込まれている点があるのではとの問題提起があった。

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