児童虐待相談件数が過去最多 死亡事例検証結果も公表

厚労省は8月17日、平成28年度の児童相談所(児相)での虐待相談対応件数の速報値を公表した。全国210カ所の児相が対応した虐待相談は12万2578件で、前年度から1万9292件(18.7ポイント)増。過去最多の件数となった。また、27年度に発生・表面化した虐待による子供の死亡事例等に関する検証結果も公表。虐待により亡くなった子供の事例は72例(84人)で、うち半数以上が0歳児だった。

児相に寄せられた虐待相談の多くは、警察等(45%)、近隣知人(14%)、家族(8%)、学校等(7%)からの通告によるもの。相談内容の内訳をみると、心理的虐待が51.5%と半数以上を占め、身体的虐待26.0%、ネグレクト21.1%と続く。心理的虐待は前年度より1万4487件(29.7%)も増加した。同省はその要因として、家庭で親が配偶者に暴力をふるう(面前DV)事案について、警察からの通告が増えた点や、児相全国共通ダイヤル(189)の認知が広まった点などを挙げている。

また、虐待による子供の死亡事例等の検証結果を、「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」が第13次報告としてまとめた。心中以外の虐待死48例(52人)のうち、身体的虐待が67.3%、次いでネグレクトが23.1%だった。事例の半数は実母が加害者であり、その動機(複数回答)は「保護を怠った」11.5%を筆頭に、「しつけのつもり」「子供の存在の拒否・否定」「泣き止まずいらだった」がそれぞれ9.6%だった。

実母が抱える問題(複数回答)として最も多かったのが「予期しない妊娠」34.6%で、「妊婦健診未受診」32.7%、「若年(10代)妊娠」25.0%と続く。

こうした結果を踏まえ、同委員会は国と地方公共団体に、妊娠期からの支援体制の整備・強化を提言している。このほか地方公共団体へは、養育能力が低いと判断される保護者への指導や、産後うつなどに適切な対応をするための精神科医との連携、虐待者の配偶者・パートナーへの対応強化といった、虐待を事前に防ぐ取り組みを中心に訴えている。また、国に対しても相談・支援体制の充実や、虐待の早期発見、早期対応を促す広報啓発の必要性を示した。

【訂正】タイトルが「児童虐待件数が過去最多に 死亡事例の検証結果も公表」とあるのは「児童虐待相談件数が過去最多 死亡事例検証結果も公表」でした。(2017/8/18)