「通学させず」95% 浪江町小・中学校開校に向け調査

浪江町が発信している「新たな学校」の完成イメージ図
浪江町が発信している「新たな学校」の完成イメージ図

福島県浪江町教委は8月22日、浪江町立小・中学校開校に向けた意向調査の結果を公表した。同町に住民票を置く、平成30年度新入学児童から中学校2年生までがいる795世帯を対象に、通学意向の有無などを尋ねた。34.1%、271世帯から回答を得た。町内に学校を再開校した際に、子供を「通学させる」、もしくは「通学させるのを検討している」世帯は4.1%で、95.2%が「通学させる考えがない」と回答していた。

同町が避難指示解除後の新しい地域づくりを模索する中で、町とかつての住民が置かれている厳しい状況を反映した結果となった。

同教委は今年2月、避難指示が解除される4月以降の小・中学校の在り方について検討委員会を設置し、審議を重ね、答申をまとめた。それによれば、小・中学校各1校の新設を決定。浪江東中学校校舎を改修し、認定こども園から中学校までを同一敷地内に集約する、小中併設連携型とした。現在、避難先で再開した学校(二本松校)に通う浪江町の児童生徒が、住居を移さずに新しい学校に通うのは難しいことから、二本松校も当面の間、継続する。学区は問わず、復興状況などの変化に応じて、町内外から広く児童生徒を受け入れられる体制とした。

浪江東中学校校舎を改修した新しい学校は、早ければ30年4月に再開できるよう、工事を進めている。コミュニティ・スクールとし、2階を小学生、3階を中学生の場とする。「ふるさと創造学」を通して、地域や学校の伝統や実績を継承。震災の経験や復興の取り組みについても、幅広く学ぶ。セカンドスクール構想として、町外の子供たちとの交流や、浪江町の資源を教材にした体験活動による絆づくりにも力を注ぐ。

また敷地内の一部を人工芝とした「憩いの広場」を造り、安全・安心に配慮した校庭、遊具の新設、校舎周辺環境の整備などを行う。各教室にはエアコンを設置。除染による放射線量を基準値の年間1ミリシーベルト以下に維持する。

こうした学校が開校する予定だが、ほとんどの世帯が子供を「通わせない」とした今回の結果を受けて、再開の可否を含め、改めて検討する必要が出てきた。

同教委は「厳しい状況ではあるが、『通学を考えている』『検討中である』とする回答もあり、これを大切にしたいと考えてもいる」として、通学を検討する世帯から相談を受け付ける構え。

また開校に当たり、調査対象世帯が「特に知りたい情報」として挙げたのは「安心・安全対策」が最多。次いで「教育内容」「通学(通学範囲・スクールバス等)」「学校給食」「施設・設備(校舎・校庭・教育機器等)」「学校設置の進捗状況」など。

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