STEAM教育におけるアート 音楽や美術の役割考える

即興で美しいハーモニーを奏でる中村氏と鈴木氏
即興で美しいハーモニーを奏でる中村氏と鈴木氏

8月26日に東京都江東区の武蔵野大学有明キャンパスで開催された「未来の先生展2017」では、実践者による講演やワークショップ形式のプログラムも多数開催された。中でも、これからの教育のキーワードとして、Science、Technology、Engineering、Mathematics、そしてArtの頭文字を取ったSTEAM教育を掲げるプログラムに注目した。

ジャズピアニストで数学者の中島さち子氏は、数学と音楽が何かを創造するという点で類似していると指摘。自身が取り組む「算数・数学の自由研究」で子供たちが探究した問題を示しながら、「自由研究では失敗例もたくさん来たが、失敗こそ評価したい。探究活動は、あえて無駄な時間をかけ、苦闘させるのが重要」と語った。

また、イノベーションを起こすには理論と感性を融合させる即興も大切であるとし、実際に参加者から5つの音を指定してもらい、ゲストのサックスフォン奏者、鈴木広志氏と実際に即興演奏をした。

聖徳大学附属女子中学校・高校で美術を教える黒沼靖史教諭は、間伐材を使って幼児のおもちゃをつくるワークショップを実施。導入で間伐材を入手した山林や同大附属幼稚園の様子を動画で写し、参加者とイメージを共有した後、グループでデザインを考えた。参加者は粘土や段ボール、タブレットなどを使いながら、活発にアイデアを出し合い、おもちゃのイメージを形作っていった。

同教諭は、「デザイン思考は相手への共感が大切。その人がほしいと思っているものを考えるのがデザインだ」と、参加者に強調した。

STEAM教育の中で音楽や美術などの芸術教科が果たす役割について、中島氏は「ロジックだけでは新しいものは生まれない。五感全てを使った感性の力も必要だ」と話した。黒沼教諭は「アートがSTEMに加わると、どの子供も、つくった作品を人に伝えるようになる。それが自信や自己肯定感につながる」と語った。