「みんなの学校」大空小と東大 インクルーシブ教育で協定

市場達朗校長(右)と小玉重夫科長
市場達朗校長(右)と小玉重夫科長

映画「みんなの学校」で知られる大阪市立大空小学校と、東京大学大学院教育学研究科が、インクルーシブ教育の研究や交流を連携しながら進める協定を締結し、協定調印式を9月21日、東京都文京区の同大学院で行った。同小学校が積み上げてきた実践や知見を協働で見つめながら、同教育のさらなる向上と推進、指導者の育成につなげる。

協定を通じて両校は、全国の普通学校と学級をよりインクルーシブな空間に再編するための実践研究の促進と、その担い手育成を目指す。同大学院は、協働の機会を生かし、学部の教員養成やインクルーシブ教育での指導的人材を育成したいとしている。

同小学校の市場達朗校長は「本校は開校以来、教職員だけでなく、地域や保護者を巻き込み、目の前の子供たちをどう大事に育てるかという点を考えてきた。協定を機会に、日本全体を視野に入れたインクルーシブ教育について考えたい」と述べた。

同大学院教育学研究科の小玉重夫科長は「本学は今年度から指定国立大学に選ばれた。その選定要素にインクルーシブがある。多様性に富む社会変革への起点を見い出すのを柱にするが、学問理論と社会の具体化には隔たりがある。協働によって、理論と具体化の橋渡しになる知見を得たい」と述べた。

また、「バリアフリーを型どおりに捉えず、実現への方法論を見い出したい。全ての子供たちが参加し、共に創る学校への共通理念と、個々の子供の思いが生かされる在り方を考え、日本全国に発信したい」とも語った。

同小学校は障害を多様な個性と見なし、全ての子供たちが普通学級で共に学ぶ教育に一貫して取り組んでいる。全校児童が体育館に集まって行う全校道徳や、独自教科である「ふれあい科」の開発など、独創的で先駆的なカリキュラムマネジメントを進めている。

一方、同大学院は、多様性創出の基盤となる初中等教育の改善を見据え、インクルーシブ教育の研究発展と担い手の育成に尽力。同研究科にバリアフリー教育開発研究センターを設け、実践研究に力を注いでいる。

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