前川前事務次官が講演 個に応じた就学の在り方とは

「一人一人に応じた普通教育がある」と語る前川前事務次官
「一人一人に応じた普通教育がある」と語る前川前事務次官

多様な教育を推進するためのネットワーク(おるたネット、古山明男代表)が主催する「おるたネットフォーラム2017」が10月7日、千葉県浦安市の浦安市民プラザで開催された。前文科省事務次官の前川喜平氏が「一人一人を大切にする教育とは」をテーマに講演し、事務次官として関わった教育機会確保法の理念や、個に応じた多様な就学の在り方について語った。

同フォーラムにはオルタナティブ教育に関心を寄せる市民など、200人が参加。会場はほぼ満席となった。

講演で、前川氏はまず憲法26条を示し、「(条文の)『等しく』とは、みんなが同じ教育を受けるという意味ではなく、個人の能力に応じた教育を受けられるという意味だ。基本的な人権としての学習権をうたっている。この学習権は、他の基本的人権の基礎になるものだ」と説明した。

一方で、同条第2項の義務教育の規定に関して、現状の制度では、「学校が普通教育を独占している。義務教育は、必ず学校に通わせなければならないとなっている」と批判。学校の外で普通教育を受けるのを認めていくべきだと強調した。

また、教育機会確保法によって、フリースクールやオルタナティブスクールが広まる可能生に期待を示しつつも、「フリースクールなどの関係者の間で、安全や教育水準など、質の確保についてきちんと議論しなければ、国の規制が強まる恐れもある。それは避けなければならない」と懸念を表した。

参加者から「もしいま事務次官だったら、やりたいことは」という質問が上がり、前川氏は、自身がボランティアをしている夜間中学校の様子などを語り、「教育機会確保法の趣旨を生かせる取り組みをしたかった。フリースクールの整備を支援したり、夜間中学をもっと増やしたりして、政府は基礎教育を受ける場を保障しなければならない」と話した。

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