都市部の子供を受け入れる徳島の事業 先進政策大賞に

受け入れ校の児童と都市部の児童が共に学ぶ。大人は派遣された教員
受け入れ校の児童と都市部の児童が共に学ぶ。大人は派遣された教員

徳島県は10月17日、同県が独自に実施している「デュアルスクール」実証事業が、全国知事会が主催する第10回先進政策創造会議において、先進政策大賞を受賞したと発表した。都市部の子供を一定期間、同県内の学校が受け入れる取り組み。都市部と地方の二地域居住や、同県への移住を促進する。

同事業は、都市部に居住する子育て世帯を対象にしており、一定期間、県内の学校に子供が通学できるようにする。「区域外就学願」を弾力的に運用し、双方の教委が協議の上、承認されれば、住民票を移動しなくても県内の受け入れ校に転校できる。期間や回数は希望に合わせて調整できるほか、学習進度の違いを調整するための教員も派遣される。

都市部と地方の交流人口を増やし、二地域居住や移住を促す。また、同じ教室の中での子供同士の学習や交流を通じて、都市と地方の双方の視点を持った子供を育成する効果も期待される。

すでに昨年度から今年度にかけ、同県美波町立日和佐小学校と、海陽町立宍喰小学校で実施され、東京都在住の小学生を1人ずつ、10日間ほど受け入れた。受け入れ校では、地方と都市の違いを知る機会となったといい、地域の良さの再発見や、交流による人間関係の活性化などの成果がみられた。

実際に転入した子供からは「自分で釣った魚を近所の人が煮付けてくれて、おいしかった」「友達の家で遊んだことが楽しかった」など、都市部では難しい経験に関する声が上がった。保護者にとっても、子育て環境やワークライフバランスを見直すきっかけにつながったという。

同県では当面、区域外就学を認める教委との間でモデル事例を積み上げ、課題検証を進めるとともに、転校手続きの簡素化などを含む制度化を、国に求めていく方針。