学童期に多発「ムンプス難聴」 8割に高度の後遺症

発症年齢と人数(平成27-28年発症)
発症年齢と人数(平成27-28年発症)

(公社)日本小児保健協会はこのほど、日本耳鼻咽喉科学会が実施した、おたふく風邪(ムンプス)によって引き起こされる難聴の調査結果を公表した。平成27~28年の2年間で少なくとも348人が難聴となり、約8割に高度以上の難聴が後遺症として残っていることが分かった。

おたふく風邪はムンプスウイルスの感染によって発症するが、合併症として難聴を引き起こすことはあまり知られていない。近年のおたふく風邪の流行傾向を受け、日本耳鼻咽喉科学会が27年1月から28年12月の間に発症したムンプス難聴について、全国の耳鼻咽喉科医療機関5565施設を対象に調査を実施。44都道府県3536施設から回答(回答率64%)を得た。

確実にムンプス難聴と診断された症例は348人。発症は学童期が最も多く、特に低学年が突出していた。

さらに詳細な回答が得られた336人の状況をみると、初診時の症状は、片耳が難聴であったのが317人、両耳の難聴が15人だった。片耳が難聴だった人の約9割にあたる261人と、最終的に両耳の難聴になった16人中13人に高度以上の後遺症が残り、日常生活に支障をきたすようになっていた。両耳の難聴になった16人のうち7人は、人口内耳を植え込む手術を受けていた。

予防策としてはワクチンの予防接種があるが、任意となるため接種率は40%程度だという。日本耳鼻咽喉科学会は難聴の発症が就園や就学年齢に多い点を危惧し、医療・学校関係者によるワクチン接種の推奨を啓発するとともに、早期定期接種化を行政に要望するとしている。

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