スクールソーシャルワーカーが事態改善 事例集を掲載

文科省はこのほど、スクールソーシャルワーカー(SSW)の活用事例をまとめた「平成28年度スクールソーシャルワーカー実践活動事例集」を、同省ホームページに掲載した。都道府県、政令市、中核市の各自治体で、SSWが不登校や家庭の貧困などの問題に、どのように対応したかなどがまとめられている。SSWが関わった結果、好転したケースが報告されている一方で、SSWの待遇改善や専門的な人材確保で課題が挙げられた。

事例集では、各自治体のSSWが携わった実際のケースをまとめている。

不登校やいじめ、暴力行為、貧困、虐待などに対し、SSWがどのように関わり、どう支援体制を構築したか。また、子供や保護者らと、どう信頼関係を築いていったか、どのように問題解決や事態改善に向かったかなどが記されている。

例えば、転入してきた不登校傾向の小学生の兄弟と、生活保護を受けながらダブルワークで生計を支えていた母親のケース(滋賀県)では、社会福祉協議会、家庭児童相談室、教委、学校などと連携・協議し、母親の承諾の下、隔週に一度、福祉施設へ預けるという対応が取られた。

兄弟に対して、遊びや食事の世話だけでなく、学習や生活全般における支援が行われ、母親の負担軽減にもつながった。

この事例のように、SSWが関わるケースでは、不登校や家庭の貧困など、複数の問題が複雑に絡み合っている場合が多い。SSWが、関係する団体と連携しながら、子供や保護者にとって望ましい解決策を模索していく様子が垣間見える。

事例集では、近年SSWが普及しつつあり、各学校で活用促進が図られたり、ケースごとの好転事例が増えたりしていることなどを、成果として挙げる自治体が多くあった。

その一方で課題として、▽各学校、市町村教委への周知▽SSWの待遇改善▽社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持った専門的な人材の確保▽スクールカウンセラーなどとの連携――などが挙げられた。

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