23区内の大学定員増を法規制 有識者会議が素案

政府の「まち・ひと・しごと創生本部」に設置されている「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議」は11月21日、第13回会合を開き、最終報告に向けた素案をまとめた。東京への過度な一極集中を是正する目的で、23区内にある大学の定員増を規制する法律の制定や、地方大学の活性化に向けた交付金制度創設などを提言した。

「地方における若者の修学・就業の促進に向けて―地方創生に資する大学改革―」と題した素案では、①地方の特色ある創生のための地方大学の振興②東京の大学の定員抑制③東京における大学の地方移転の促進④地方における若者の雇用の創出――によって、若者の修学・就業を促進すべく、法律などでその内容を規定すべきだとした。

①に関しては、産業振興や人材育成で、地方自治体、地方大学、地元企業の産官学が連携して事業を実施するのを支援する新たな交付金制度など、総花主義から脱却し、地方の問題解決や各地方大学の強みを生かした取り組み強化を進めるよう要請した。

②では、今後18歳人口が大幅に減少する中で、23区内の大学の定員増が進むと地方大学の経営悪化による撤退などが起こり、高等教育の就学機会の格差が拡大しかねないため、23区内の大学の定員増を認めない方針を示した。

すでに文科省の大学の設置認可基準に関する省令によって、平成31年度までは23区内の私立大学の定員増は原則として認められていないが、同素案では対象を国公立大学にも広げる。ただし、大学院や留学生、社会人学生などは例外とし、定員増加を伴わない学部・学科の再編は対象としない。

定員をいつまで抑制するかについては有識者の間でも意見が分かれており、引き続き検討が必要だとした。

③では、東京圏などの大学が地方にサテライトキャンパスを開設するなどの取り組みを支援する。

④では、▽地方での若者の起業支援▽東京に本社のある企業のサテライトオフィスの促進や地方での選考・採用の拡大▽一部自治体が取り組んでいる地方大学への進学や地元企業への就職、都市部の大学から地方企業への就職を促進するための奨学金返還支援制度の全国展開――などがうたわれた。

同会議では、12月8日に最終報告の取りまとめを行う予定。