教育・福祉などが連携した支援必要 子供の貧困調査で

他の機関との連携における課題についての回答結果
他の機関との連携における課題についての回答結果

神奈川県はこのほど、子供に係る支援者・相談者を対象とした、子供の貧困に関する意識調査の結果を公表した。貧困状況にある家庭の子供には、保護者への経済的な援助だけでなく、健康など医療面、生活、教育の各分野が連携した包括的な支援が必要だと考える支援者が多かった。

調査対象は、同県内のスクールソーシャルワーカーや児童相談所の職員、市町村の児童家庭相談担当、支援施設の職員らで、303人から回答を得た。実施期間は今年6月19日~7月31日。

貧困の状況にある子供について、気になった状態を聞いたところ、「住居が子供の育つ環境として適切でない」65.7%、「十分な教育を受けられていない」61.4%、「体や髪が清潔に保たれていない」59.1%、「食事を十分にとれていない」56.8%の順に多かった。

現在抱えていると思われる困難としては、「心身の発達に必要な生活習慣や食事の提供がされていない」55.8%など、子供の育ちに必要な環境や教育の充足に関する回答がそれぞれ5割を超えた。

貧困状況にある子供が過去にどのような経験をしているかについては、「学校の授業についていけない」68.6%、「ひきこもりや不登校など学校になじめない」65.7%と、学校生活にうまく適応できない経験をしているとした回答が多かった。

子供の家庭や親が多く抱える困難については、「親自身が経済的困窮や複雑な家庭環境で育った」57.4%、「精神的に不安定な状態にある(障害がある又は健康上の問題を抱えている以外)」56.4%などが高い割合を示した。

現状を改善するために拡充すべきと思う支援は、子供に対しては「進学・就労へ継続的な相談窓口や経済的支援」51.5%、「学校や家庭以外での学習支援」48.8%、「学校や家庭以外での食を伴う居場所の提供(子ども食堂など)」42.2%の順に多かった。

親に対しては、「世帯への訪問による困窮の早期発見や生活支援」65.7%、「就労の支援」60.1%、「気軽に相談できる人や窓口」55.8%という結果だった。

支援に当たって、特に困難だと感じていることは、「複雑な問題が絡み合っており、1つの機関だけでは対応できないこと」が67.7%で最多。

次いで、「保護者と接触すること、または信頼関係づくり」59.1%。また、「支援に用いることができる制度や資源が少ないこと」35.3%、「支援が必要な子供の発見の仕組みがないこと」22.8%など、現行の支援制度についても不満が挙がった。

また、子供の貧困が世代を超えて連鎖する場合が多いと思うかについて、「そう思う」58.1%、「ある程度連鎖することが多いと思う」36.6%と考える回答が、合わせて9割を超えた。

支援を行う上で、よく紹介したり連携したりする部署・機関は、「児童相談所」が65.0%で最も多かった。

連携がしにくいと感じている部署・機関は、「特になし」が43.2%。次いで「児童相談所」19.8%、「中学校」「小学校」「高等学校」がそれぞれ17.5%、17.2%、14.9%だった。

連携が必要だと考えている、または連携したい部署・機関も、「児童相談所」が61.4%で最多。「小学校」「中学校」が60.4%と続いた。

回答者の所属機関別でみると「市町村 児童家庭相談担当職員」は「小学校」87.5%、「スクールソーシャルワーカー」は「児童相談所」86.7%だった。

他機関との連携における課題は、「連携する機関との情報の共有化」が54.8%で最も多く、「他機関とのネットワークが確立されていない」42.6%、「複数の機関が連携して関わることについて、親の理解・協力を得るのが難しい」が36.3%と続いた。

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