道徳評価の入試利用に抜け穴? 中学入試の通知表活用で

 私立中学校の24.3%が通知表の写しの提出を求めている(衆院予算委審議映像より)

私立中学校の24.3%が通知表の写しの提出を求めている(衆院予算委審議映像より)

評価は「入試で使用しない」とされている「特別の教科 道徳」について、一部の中学校が入試に際し、受験生の小学校の道徳評価を事前に得られる可能性があることが、11月27日の衆議院予算委員会で指摘された。

立憲民主党の長妻昭議員は「愛国心や道徳心は重要な価値だ」としながらも、「内心の自由に関わること」だとして、道徳で成績や評価をつけるべきではないと主張した。

その上で、一部の中学校が入試で小学校の通知表の写しを活用している実態を挙げ、受験生の道徳評価が入手される可能性を示した。

長妻議員は「受験には使わないとしていたが、抜け穴があった」と指摘した。

文科省は、中学校や中等教育学校の入試における通知表の写しの活用実態を調査した。

私立では、752校のうち138校と、全体の24.3%が活用していることが明らかになった。

国立は2校、公立は0校だった。

林芳正文科相は長妻議員の質問に対し、「丁寧にしっかり見ていかなければならない。関係団体や各学校と協議しながら、入試に道徳の評価を使わないという趣旨の徹底を図っていきたい」と述べた。

道徳について、文科省は「他の子供と比べるものではない」として、通知表で評価する場合は数値でなく記述で示し、内申書では評価しないとしている。入試にも使わない方針を周知し、安倍首相もこの日の答弁で「他の生徒と数値で優劣をつけるような扱いがなされることはないと考えている」と述べた。

文科省は「私立中学校の願書受付が始まる来年夏までに、対応を決めたい」としている。