進学支援「利用したい」4割 山梨県教委が貧困調査

利用したことはないが、「利用したい」と回答された公的な支援制度(複数回答)
利用したことはないが、「利用したい」と回答された公的な支援制度(複数回答)

山梨県教委はこのほど、子供の貧困の実態を把握する「子どもの生活アンケート」の中間報告を公表した。同県の子供の相対的貧困率は10.6%で、国の調査結果(平成27年)の13.9%より低かったものの、10人に1人は貧困状態に置かれていることが分かった。

また、貧困世帯が利用を望む公的な支援制度は、高校入学に係るものが最も多く、進学を望みながらも、支援のない状態では難しいと考える貧困世帯の状況が浮かび上がった。

アンケートは今年7月10日から19日にかけて、同県内の小学1年生の保護者と、小1、小5、中2、高2の保護者および子供を対象に実施。保護者3105人、子供2365人の合計5470人から有効回答を得た。中間報告では、各質問に対する単純集計と貧困線(122万円)に満たない世帯(貧困世帯)に関わる結果を抜き出している。

家族に父親がいる割合について、全世帯が87.6%であるのに対し、貧困世帯は48.8%と低かった。就労状況をみると、父親が「正社員・正規職員」の割合は全世帯69.0%に対し、貧困世帯は23.4%と低く、また「無回答」が41.4%を占めた。母親は「嘱託・契約社員・派遣社員」「自営業(専従者含む)」の割合が、それぞれ全世帯の約2倍だった。

貧困世帯が経済的理由によりしていないこと、与えていないものは「学習塾に通わす」(35.7%)、「年1回の家族旅行」(29.9%)、「習い事に通わす」(24.2%)などが上位に挙がった。利用したことはないが、利用したい公的な支援制度は「高校等入学準備サポート事業」(47.5%)、「高校等奨学給付金」(40.2%)が突出。全世帯ではそれぞれ2割に満たない割合である点をみても、貧困世帯が子供の高校入学に経済的な懸念を抱えていることが分かる。

同教委は今後、最終報告の分析結果を踏まえ、情報共有や意見交換を行い、市町村との連携による取り組みを軸に施策展開を検討するとしている。