自民党教育再生実行本部が第九次提言 首相に申し入れ

教育再生実行本部による提言は、今年5月以来9回目(首相官邸HPより)
教育再生実行本部による提言は、今年5月以来9回目(首相官邸HPより)

自民党教育再生実行本部(本部長=馳浩元文科大臣)は12月5日、義務教育における教職員定数の拡充やチーム学校の推進、教員の業務縮減などを盛り込んだ第九次提言を、安倍晋三首相に申し入れた。

松野博一前文科大臣が主査を務める「次世代の学校指導体制実現部会」が取りまとめた。

同提言では、▽義務教育における教師の長時間勤務の是正▽「教師にしかできない業務」以外の業務の大幅な削減▽新学習指導要領の実施に伴う授業時数の増加を踏まえた、教育課程の編成・実施の在り方の検証――などを求めた。

また、働き方改革と新学習指導要領の円滑な実施を両立させるため、予算措置とともに、▽小学校の専科教員の充実▽いじめや不登校への対応、マネジメント体制の強化を図るための教職員定数の改善▽外部人材の一層の活用による「チーム学校」の実現▽部活動休養日や学校閉庁日の設定の推奨▽主任の活用などの効果的な学校組織の運営体制の検討▽教員の人材確保や教員の士気を高めるための給特法の見直し――などの具体的施策を、政府の緊急対策に盛り込むよう求めた。

同提言は次の通り。

「次世代の学校指導体制実現部会」提言(主査:松野博一 主査代理:池田佳隆、義家弘介、上野通子)

教職員定数の戦略的充実、チーム学校の推進、教師が担う業務の縮減

我が国の義務教育は、国際的にもトップレベルの水準を維持している。これは、高い専門性を持つ教師が、幅広い業務を担い、子供の状況を総合的に把握して指導してきた成果であり、子供への情熱や使命感を持った献身的な取組の積み重ねの上に成り立ってきたものといえる。

一方、教師の勤務実態は極めて厳しく、看過できない深刻な状況である。我が国の義務教育における取組を、今後も持続可能なものとするためには、この長時間勤務の状況を早急に是正し、知・徳・体を一体的に育む日本型教育の良さを大切しながら(ママ)、教師が誇りや情熱を持って、高い専門性を十分に生かせる勤務環境を整えていかなければならない。

特に、勤務実態調査の結果を分析し、教師の業務を徹底的に見直した上で、教師にしかできない業務以外を大胆に削減し、時間外勤務を縮減することが急務である。

また、道徳の教科化や小学校における英語教育の強化を内容とする新学習指導要領が平成32年度から実施されるが、授業時数増を踏まえた教育課程の編成・実施の在り方について検証を行い、実効性のある方策を示すことも必要である。

今後、「働き方改革」と「新学習指導要領の円滑な実施」を両立するためには、以下の取組について、平成30年度予算において所要の措置を講じるとともに、現在進められている中央教育審議会の議論を踏まえて今後取りまとめられる政府の緊急対策に順次盛り込み、責任をもって実行していく必要がある。

・外国語や特別の教科「道徳」などを含め、授業準備や成績処理等に必要な時間を確保する観点から、小学校における専科指導の教師を戦略的に充実し、教師一人当たりの持ちコマ数の軽減を図るとともに、いじめ・不登校等の課題への対応、学校のマネジメント体制の強化等を図るための教職員定数の改善を図る。

・スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、教師の事務作業を補助する業務アシスタント、部活動指導員等の外部人材の一層の充実を図り、チーム学校を実現する。

・教師にしかできない業務以外を大胆に削減し、時間外勤務を縮減する。

・ICT等を活用した業務の効率化や教育の質の向上を図るとともに、部活動休養日や学校閉庁日の設定を推進する。

・主任の在り方等効果的な学校組織の運営体制の在り方について検討する。

・教師として適格性を有する優秀な人材を確保し、頑張っている教師の士気を高められるよう、給特法の見直しも含め、教師の勤務実態に応じた処遇となるよう改善を検討する。