PM2.5による脳への影響 1700万人の乳児が危険に

乳児の脳への大気汚染による影響を指摘した報告書
乳児の脳への大気汚染による影響を指摘した報告書

ユニセフ(国連児童基金)は12月6日、世界の1歳未満の乳児約1700万人が、国際的な大気汚染の基準値を少なくとも6倍上回るレベルで汚染された地域で暮らし、脳の発達に影響を与えているとする報告書を発表した。微小粒子状物質(PM2.5)を吸い込むと、脳の細胞が損なわれ、認知的な発達を妨げる可能性があると指摘した。

報告書『大気汚染の危険:子どもの脳の発達に及ぼす影響(原題:Danger in the Air: How air pollution can affect brain development in young children)』では、WHO(世界保健機関)が定めたPM2.5の基準値を6倍上回る汚染レベルの地域で暮らす乳児のうち、1220万人が南アジアで暮らしていると推計した。また、東アジア・太平洋地域でも、430万人の乳児が同様の環境で暮らしているという。

報告書では、PM2.5が乳児の体に及ぼす影響として、▽超微粒磁鉄鉱が嗅神経や消化管を通って体内に侵入し、酸化的ストレスを発生させる▽多環芳香族炭化水素などの汚染物質が、脳内の神経伝達を助ける役割を果たす部分を破壊する▽幼い子供は大人に比べ、より少ない量の有害化学物質で損傷を受けやすい――などを指摘している。

その対策として、▽再生可能エネルギーや緑地の増加などによる大気汚染の改善▽大気汚染濃度が低い時間帯に子供が移動できるようにする▽子供の健康状態を改善し、抵抗力を高める▽大気汚染に関する知識やモニタリングの改善――などを挙げた。また、家庭の中でのタバコの喫煙やストーブの使用などによる有害な煙の露出を、保護者が抑えるよう求めた。

ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は「汚染物質は乳児の発達途中の肺を害するだけではなく、彼らの発達途中の脳を永久的に損ない、結果として彼らの未来を損なう可能性がある」と指摘した。

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