基準厳しく必要な生徒に給付できず 給付型奨学金調査

成績基準などの問題を指摘した会見
成績基準などの問題を指摘した会見

全国高校組織懇談会は12月11日、文科省で記者会見し、全国の高校に尋ねた国の給付型奨学金に関する緊急実態調査の結果を公表した。人数制限や成績などの基準が厳しく、必要な生徒に給付できない問題などを指摘した。

調査は、今年の7~8月に実施。全国の高校に、給付型奨学金の▽各校への募集人数と割り振り方▽対象者の校内選考の方法――など4項目を質問し、北海道や秋田県など12道県の200校が回答した。

各校への募集人数と割り振り方については、▽基準に該当する生徒に比べて募集人数が少ない▽募集人数の決定方法が分からない――などの回答があった。

校内選考の方法や内容については、▽希望者に比べて募集人数枠が少なく、成績や出席日数で足切りせざるを得ない▽低所得世帯の生徒は成績や出席でハンディがある。そんな生徒を所得でさらに絞り込む選考が必要になった――などが挙がった。

同奨学金制度の実施初年度にあたっての意見としては、▽選考方法の決定や、生徒と保護者への内容伝達で混乱した▽教職員に制度が十分理解されていない▽卒業生への周知が困難――などがあった。

奨学金制度全般に関する意見や要望では、▽生徒本人が直接応募する仕組みに▽制度の充実と、高額な学費の抜本的な引き下げ▽校内事務処理の負担軽減――などが出た。

こうした調査結果を踏まえ、同懇談会は▽支給人数や支給額増▽成績基準を外し、経済的条件だけにする▽各校に支給人数を割り振らず、必要な生徒に行き渡る募集をする▽高校への重負担の制度を解消し、人員配置や事務負担の軽減を図る――ことなどを訴えた。