グローバル・コンピテンスを調査 PISA2018で実施へ

学校が果たす役割も重要だと説明するシュライヒャーOECD教育・スキル局長
学校が果たす役割も重要だと説明するシュライヒャーOECD教育・スキル局長

OECDは12月12日、2018年のPISA(生徒の学習到達度調査)から、新たにグローバル・コンピテンスの調査を実施すると発表した。グローバル化が進む社会の中で、他者と共存しながらコミュニケーションを図り、行動していく力が、現代の若者にどれだけ備わっているか。知識だけでなく、スキルや態度なども含めて多元的に測定する。

調査方法は、従来のPISAと同様、15歳の生徒を対象とした認知テストに加え、生徒と学校(校長と教員)に質問調査を実施する。これらのテスト結果をもとに、多元的な視点から分析を行い、認知的要素と否認知的要素との関係を分析する。

グローバル・コンピテンスは、①ローカル、グローバル、異文化の問題を考察②他者の視点と世界観を理解し、その価値を認める③異文化の人々と、オープンで適切な、実効性のあるコミュニケーションを行う④well-being(幸福度)と持続可能な発展のための行動を起こす――の4つのコアとなる側面を持つと定義。

各側面の構成要素として▽知識▽スキル▽態度▽価値観――を測る。ただし、より規範的な心構えなどが含まれる価値観については、現時点で妥当な評価手段が確立されていないため、2018年以降の導入を目指す。

認知テストでは、一定のジレンマや緊張関係にあるシナリオに基づいた問題を提示し、選択肢とその根拠を測る。異文化との関係や、社会経済の発展、持続可能性、グローバルな機関・制度、紛争と人権などの知識を基にして出題される。論理的思考や相手の立場からの視点、問題解決、コミュニケーションなどのスキルを発揮できているかのみならず、異文化の人々に対する敬意やオープンな態度なども測る。

国ごとのランク付けは行わない。また、国ごとの評価でも、その国のグローバル・コンピテンスに関する強みや弱みを多面的に示すようにする。分析結果は、2020年の公表を予定している。

アンドレアス・シュライヒャーOECD教育・スキル局長は日本のメディア向けの記者会見で、「グローバル・コンピテンスはこれまでのように国際的に働く一握りの人にとって必要なものではなく、いまや皆さんの家庭の入り口にまで来ている問題だ」と指摘した。

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