ネット利用者の3人に1人が子供 世界子供白書を公表

日本で開れた発表会で概要を説明するレーク事務局長
日本で開れた発表会で概要を説明するレーク事務局長

ユニセフは12月11日、「世界子供白書2017」を公表した。「デジタル世界の子供たち」をテーマに、インターネットやICTの急速な普及が子供たちにもたらす影響を、さまざまなデータを基に示した。世界のインターネット利用者の3人に1人が18歳未満の子供たちであるなど、利用者の若年化が明らかとなった。

白書では、デジタル技術があらゆる子供に対して学習と教育の機会をもたらし、地域の問題解決に向けた取り組みや職業の提供などに貢献し、世代間の貧困の連鎖を断ち切るツールとなっているとした。

その一方で、依然として世界中の若者の29%にあたる3億4600万人はインターネットにつながっておらず、地域や性差、経済的な理由などによる情報格差が存在している。

さらに、インターネット上の空間では、子供がいじめや性的虐待などの被害に遭ったり、ネット依存など、心身の健康や人間関係に悪影響を及ぼしたりする問題を指摘した。

ユニセフでは、不利な立場に置かれた子供たちに恩恵を与え、子供たちへの被害を制限するとともに、デジタル化の力を活用するための優先的行動として、①質の高いオンライン・リソースへの安価なアクセスの提供②インターネットを通じた虐待、搾取、人身売買、ネットいじめ、不適切な情報の接触などからの保護③ネット上のプライバシーとアイデンティティの保護④インターネットを通じて情報を取得し、参加し、安全でいられるためのデジタルリテラシーの教育⑤民間セクターを活用し、ネット上で保護され、恩恵を受けられるための倫理的基準や行動の前進⑥デジタル技術に関する政策の中心に子供たちを据える――の6つを提案した。

ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は、13日に日本で開催された発表会で講演し、「デジタル技術は良くも悪くも私たちの生活の後戻りできない現実となっている。子供たちへの危害を防止しながら、どう恩恵をもたらすかという、二重の課題に取り組まなければならない」と話した。

世界子供白書は、1980年から発行されてきたユニセフの基幹刊行物で、5歳未満死亡率や就学率などの、世界の子供たちに関する統計と共に、毎年特定のテーマを取り上げて、子供たちが置かれている状況や改善への取り組みを訴える。日本語訳は来年春に発行される予定。

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