「子供とネット」テーマに 学生とユニセフ事務局長が対談

子供のネット利用をテーマに対談する、日本の大学生らとユニセフ事務局長
子供のネット利用をテーマに対談する、日本の大学生らとユニセフ事務局長

ユニセフは12月13日、「世界子供白書2017」の発表会を東京都港区のユニセフハウスで開催した。子供のネット利用に関するワークショップに取り組んでいる大学生らと、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長が、日本の子供のネット利用の実態やそのリスクについて対談した。

白書のテーマが「デジタル世界の子供たち」であるのにちなみ、ネットいじめなどが深刻な問題となっている日本での開催となった。日本で発表会を開催するのは、1987年以来30年ぶり。約70人の参加者があった。

登壇したのは、兵庫県立大学「ソーシャルメディア研究会」の大学生・大学院生6人で、同研究会を指導する竹内和雄同大准教授が司会を務めた。同研究会は、各地の自治体や学校で、中学生や高校生らとスマホの使い方について話し合う「スマホサミット」や啓発授業に取り組んできた。ユニセフが白書を作成するにあたり26カ国で実施した子供たちとのワークショップでは、ファシリテーターとして関わった。

対談の冒頭では、学生から、日本のスマホやネット利用の実態が報告された。例えば、家の中で、2階の子供部屋から1階にいる母親にLINEで連絡をしたり、勉強に「受験アプリ」を当たり前のように使ったりしている。同研究会がワークショップに参加した神戸市の中学生を対象に行ったアンケートによれば、約6割の生徒が「LINEから告白されるのもOKだ」と答えたという。

竹内准教授は「大人にとってLINEはメールの代わりだが、子供たちにとっては会話の代わりだ。彼らに見えている世界は私たち大人が見ている世界と違う」と指摘した。

レーク事務局長は、白書では触れていない問題点として、「インターネットからニュースにアクセスするのが当たり前になった。問題はその発信源がどこなのか分からないということだ。何が真実で、何が真実でないのかを判断しなくなっている。子供も、よりたくさんの意見や間違った情報を事実として認識しているかもしれない。民主主義の危機だ。ぜひ若者には、ニュースソースも見るようにしてほしい」と危機感を示した。

大人や社会に要望として、学生からは「子供と大人の対話が必要。子供の方が大人よりネットに関しては知識がある。親もネットに関心を持ってほしい」「フィルタリングが大事だ。でもなぜ広がらないかというと、子供たちにとって便利なアプリなども引っかかってしまうから。子供と親が相談して、カスタマイズしながら設定すべき」「学校で聞かれるのは、一番来てほしい保護者が来てくれないという声だ。そんな保護者が関心を持ってくれるような支援を」などの意見が出された。