卒業生の追跡や大学中退率 半数以上の高校は重視せず

大学中退率を生徒に調べさせる高校は少ない
大学中退率を生徒に調べさせる高校は少ない

NPO法人NEWVERY(小崎文恵理事長)は12月15日、全国の高校を対象にしたアンケートから進路指導の実態を分析した「進路指導白書2017」を公表した。卒業生の追跡調査を行っていなかったり、大学中退率を重視していなかったりする学校が半数以上を占めるなど、これまで見えてこなかった進路指導の課題が浮き彫りとなった。

特別支援学校を除く全国の高校5067校にアンケート調査を行い、605校から回答を得た。内訳は、普通科が76.0%、専門学科が27.9%、総合学科が7.3%。白書では、その分析結果と併せて、先進的な進路指導の取り組みを行っている高校・大学の事例を取り上げている。

学校として、卒業生の状況について毎年追跡調査を行っているのは13.4%。毎年ではないが、定期的に実施しているのは7.6%。過去10年以内に調査を行った記録はないと答えたのは、56.2%に上った。

教員が進路指導で重視するポイントでは、大学の難易度や入試方式・科目、面倒見の良さ、取得できる資格、学費、卒業生の意見などを重視すると答えたのは8割を超えた。その一方で、大学中退率やアクティブ・ラーニング型授業の導入などを重視すると答えたのは4割以下だった。

また、生徒に対して、志望する進学先の中退率について情報収集を行うよう指導しているかを聞いたところ、「生徒の状況に応じて中退率を調べるような指導を行うことがある」と答えたのは28.1%、「特に中退率を調べさせることはない」と答えたのは67.9%に上った。

同白書は、卒業生の追跡調査や大学中退率を高校側が重視していない理由として、▽高校卒業後の就職における早期離職と異なり、大学などでの退学は高校側の責任であると捉えていない▽大学中退率が全体的に増加傾向にある事実を、教員が知らない▽大学の教育学部は他学部と比較して中退率が低い可能性があり、大学中退が起こりえる問題であると気付けない――などが考えられると指摘している。