入学時の就学援助 事前支給する市町村は半数に留まる

学用品費など入学前支給の実施状況
学用品費など入学前支給の実施状況

文科省は12月15日、全国の市町村を対象にした就学援助実施状況調査の結果を公表した。クラブ活動費やPTA会費などに対しても支給する市町村が増加している一方で、ランドセルや制服など、困窮する家庭にとって大きな負担となる小・中学校への入学時の援助については、入学前に支給する市町村は半数に留まった。

同調査は、市町村が都道府県に報告した就学援助の状況を集計したもの。公立の小・中学校に通う児童生徒で、①保護者が生活保護を受給している場合(要保護児童生徒)②生活保護の受給と同程度に困窮していると市町村が認定し、学用品費や通学費、修学旅行費などを支給した場合(準要保護児童生徒)③「被災児童生徒就学援助事業」の対象となった場合――について調査した。

2015年度の要保護、準要保護児童生徒数(①~③の合計)は146万6134人で、4年連続減少。就学援助率は15.2%で、3年連続の減少となった。この要因には、児童生徒数全体の減少に加え、経済状況の変化を挙げる市町村が多かった。

就学援助率が2割を超える都道府県は、▽北海道▽東京▽大阪▽広島▽山口▽高知▽福岡▽鹿児島▽沖縄――で、西日本に多い。1割を下回ったのは、▽山形▽茨城▽栃木▽群馬▽千葉▽富山▽福井▽山梨▽岐阜▽静岡――の各県だった。

市町村ごとに単独で実施している準要保護就学援助では、児童扶養手当の支給や市町村民税の非課税など、複数の認定基準を設定している市町村が多かった。生活保護の基準額に一定の係数を掛けた場合では、1.2~1.3倍以下の割合が最も多い。

就学援助費目の状況では、学用品費、新入学児童生徒学用品費、修学旅行費については、ほとんどの市町村が支給費目に設定。また、クラブ活動費やPTA会費などを設定する市町村も年々増加している。

しかし、新入学児童生徒学用品費を入学前に支給している自治体は、小学校では711市町村で全体の40.6%、中学校では856市町村で全体の49.1%だった。

同省ではこれを受け、同調査結果の通知を各都道府県教委に発出。就学援助の必要な児童生徒の保護者に対する周知徹底や、就学援助の認定・支給の時期の見直しなどを含めた制度のさらなる充実を求めた。