「学校の働き方改革」中間まとめを承認 年内に緊急対策も

「提言をしっかりと受け止める」と話す林大臣(右)
「提言をしっかりと受け止める」と話す林大臣(右)

中教審第114回総会は12月22日、学校における働き方改革特別部会などで議論されてきた「学校における働き方改革」の中間まとめを承認し、林芳正文科大臣に手交した。各種調査で明らかとなった教員の過酷な勤務実態の改善に向け、国、教委、学校が取り組むべき具体的な方策が示された。林大臣はこれを受け、「年内に緊急対策を取りまとめる」と表明した。

中間まとめでは、新学習指導要領での標準授業時数は小学校中・高学年で週1コマ相当増加するが、現状の学校が抱える課題はより複雑化・困難化し、教員の長時間勤務やメンタルヘルスへの影響が出ていると指摘。新学習指導要領にも対応しつつ、質の高い学校教育を持続発展させるためには、教師の業務負担の軽減が喫緊の課題であるとした。

現在、学校が抱えている具体的な業務を挙げ、「本来誰が行うべきか」「負担軽減のために、どのような適性化を図るべきか」の観点から整理・検討した。

▽登下校に関する対応▽放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導されたときの対応▽学校徴収金の徴収・管理▽地域ボランティアとの連絡調整――は、教委や保護者など、学校以外が担うべき業務だとした。

▽調査・統計等への回答▽児童生徒の休み時間における対応▽校内清掃▽部活動――は、学校の業務ではあるが、必ずしも教師が担うべきものではないとした。

▽給食時の対応▽授業準備▽学習評価や成績処理▽学校行事の準備・運営▽進路指導▽支援が必要な児童生徒・家庭への対応――は、教師の本来の業務であるが、専門のスタッフが一部を担うなどして、負担軽減が可能であるとした。

これらの業務に関しては、教委などが役割分担と適正化を図り、具体的な目標設定などを通じて業務の総量を削減するのが重要だとし、必要性が乏しい慣習的な業務については、思い切って廃止していくべきだとした。

国は、学校・教員が担うべき業務を明確化し、学校管理規則のモデルを示す。また,▽地域や保護者の理解のための資料提供▽業務改善の取り組みの優良事例の提供▽調査・統計、依頼事項の精選▽民間のコンテストなどについて、学校の負担軽減に向けた協力の呼び掛け――などの方策を実施する。

さらに、現場にさまざまな業務が負荷されてきた反省を踏まえ、文科省内に教職員の正規の勤務時間や人的配置、業務改善の取り組みなどを一元的に管理する部署の設置も盛り込まれた。

教委は、学校に対する業務改善方針・計画を策定するほか、事務職員の資質・能力・意欲の向上や学校事務の共同実施を促進する。また、ICTなどの業務効率化に必要な環境整備なども実施する。

学校は、重点目標や経営方針を明確にし、関係機関や地域住民との連携を推進する。

教委や管理職に対しては、教員の勤務時間管理を徹底し、ICTの活用やタイムカードなどによる勤務時間の客観的な把握ができる体制を直ちに構築するよう求めた。さらに、適切な勤務時間の設定に向けた具体策として、▽勤務時間を考慮した登下校時間の設定▽時間外の留守番電話などの対応▽部活動では、スポーツ庁が作成予定のガイドラインを踏まえた適切な活動時間・休養日の設定▽保護者や地域の理解――などを示した。

長時間勤務の改善に向けて、勤務時間に関する上限の目安を数値で示したガイドラインを早急に示すよう求めた一方で、給特法を含む教職員の勤務時間に関する制度の在り方は、引き続き議論するとして、結論を出さなかった。

委員からは、「個別の改善策など、部分的に現場に伝わってしまうと混乱してしまう。より実践的な学校のマネジメントモデルを示す必要がある」「地域や保護者をパートナーに進めるべきだ。外部連携やボランティアの協力は重要だが、教職員定数の確保がなければ根本的な問題の解決にはならない」「基本的には学校、教職員一人一人の主体的・自律的な取り組みがポイントになるだろう。教職員は主体的に、自らの問題として受け止め、職場を健康的にするための呼び水としてほしい」などの意見や要望が出された。

林文科大臣は中間まとめを北山禎介中教審会長から受け取った後、「教師の意欲や能力を最大限に発揮できるように環境を整備し、教師自身が誇りを持って働けるようにする。それが、子供の教育にも良い影響として還元される。これこそが、学校における働き方改革の目指す理念だ。提言をしっかりと受け止め、文科省としても、年内に緊急対策を取りまとめ、働き方改革の推進に取り組んでいく」と意欲を示した。

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