予算や人材など課題 SNS相談窓口WGが最終報告案を協議 

最終報告案は継続審議となった
最終報告案は継続審議となった

いじめ防止対策協議会の「SNSを活用したいじめ等に関する相談体制の構築に係るワーキンググループ(WG)」は12月25日、第4回会合を開き、最終報告案「SNSを活用した相談体制の構築に関する当面の考え方」について協議した。

すでにLINEを利用したSNS相談窓口の試験導入を開始している長野県や滋賀県大津市のなどの報告を踏まえ、来年度以降の実証に向けた指針となる最終報告案について、引き続き議論していく必要があるとした。

報告案では、神奈川県座間市の事件を受け、SNSによる相談体制の構築が喫緊の課題であるとした。また、来年度以降、複数の自治体や学校で実証を進め、都道府県を超えた広域的な相談体制の構築も含めた全国展開を検討すべきだとした。

報告案で示されたSNSの相談窓口は、平日の午後5時~10時までの時間帯や、気持ちの落ち込みが起こりやすい長期休業明けの直前、日曜日などの受付を想定している。ただし、コスト面がクリアできれば、深夜や早朝も含めた24時間体制の相談も検討すべきとした。

また長野県などの例から、SNSの文字のやり取りを、電話による直接のやり取りに切り替えるのは、児童生徒にとって敷居が高いと指摘。そのため相談員には、臨床心理士や教員経験者に加え、SNSの経験に長けた大学生の活用も考えられている。

課題として、数多くの相談に対応するための予算や人材確保が挙げられた。技術的な面では、AIの導入も盛り込まれたが、児童生徒の気持ちも十分に配慮し、深刻な相談や緊急時には、相談員が集中して対応できるような仕組みの構築が望まれるとした。

その他にも、▽民間団体との相談業務の連携▽いじめ防止などの情報をSNSで発信できるシステム▽相談内容の守秘義務や、児童生徒の個人情報の保護▽スマホを持たない児童生徒の相談体制――などについて、指針が示された。

委員からは「SNSの活用によって相談件数が増えたのは良いことだが、それだけ対応しなければいけないということでもある。相談員の確保や研修は、相当考えていかなければならない」「相談した児童生徒の守秘義務と、具体的ないじめなどの対応で、学校にどう情報を提供し、働きかけるか。まだ検討が十分ではない」「ファーストコンタクトはカウンセラーだが、その後の相談相手は弁護士や医者、教師など、相談内容によってさまざまな専門家が問題解決に関わる必要がある。今後そのような連携が必要になるだろう」などの課題が指摘され、最終報告案については継続審議となった。