定数改善「現場の願いから程遠い」 日教組書記長が談話

教職員定数1595人の純増などが盛り込まれた2018年度予算案の閣議決定を受け、日本教職員組合(日教組)は「学校現場の願いからは程遠い」とする清水秀行書記長の談話を、12月22日付で発表した。

同書記長は、文科省が概算要求に盛り込んだ3415人分の教職員定数改善が実現しておらず、学校における働き方改革が始まるという実感は持てないとしている。

また、小学校で外国語活動が早期化・教科化されれば、長時間労働の是正どころか、長時間労働のさらなる深刻化は必至だと批判した。

日教組は今後、文科省に大胆な業務削減を前提とした教育施策立案への転換を強く求めていくとしている。

同書記長談話は次の通り。

来年度予算における最大の課題は、教職員の働き方改革に係る実効性ある施策が始まるか否かであった。しかし、政府予算案における教職員定数は、文科省が概算要求において要求した「学校における働き方改革や複雑化・困難化する教育課題に対応するため」の3415人分が実現しておらず、学校現場の願いからは程遠い。

文科省は、3年後から始まる新学習指導要領において、外国語教育の早期化と教科化を行うとし、小学校3年から6年では、週1時間の授業増となる。当然学校現場では、1時間の授業増だけでなく、教材研究や授業準備等を行うことから、現在よりも長時間労働に拍車がかかることは明らかである。

文科省の概算要求において、1時間増に対応するための定数改善として2200人(3年間で6635人)を要求したものの、それも実現していない。

現在、日本には、小学校が20095校(2017年度学校基本調査速報値、以下の学校数も同じ)があり、そのすべてで外国語活動が早期化・教科化されることを考えると、長時間労働是正どころか、長時間労働が更に深刻化することは必至である。

スクール・サポート・スタッフ(3000人)や部活動指導員(4500人)の配置は予算化されたものの、小学校20095校、中学校10325校、義務教育学校48校、中等教育学校53校、高等学校4907校(地財措置)、特別支援学校1076校(高等部は地財措置)のすべてにおいて働き方改革がはじまるという実感は持てない。

教職員等の増員がこの程度に留まった以上、文科省には、大胆な業務削減を前提とした教育施策立案への転換を強く求めていく。

一方で、給付型奨学金予算については、来年度から本格実施されることを受け、概算要求通り105億円が計上された。対象学生数や給付額、奨学金事務における様々な課題はあるものの、着実な実施とさらなる拡充が求められる。

また、幼児教育の無償化にむけたとりくみの段階的推進について幼稚園就園奨励費補助等として330億円が計上された。12月8日に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」では、幼児教育の無償化や高等教育の無償化等も盛り込まれた。

子どもの権利条約・国際人権規約にもとづく、就学前・初等教育から高等教育までの無償化、教育費の私費負担軽減等の実現のため、連合等と連携しとりくみを強化していく。

日教組は、引き続き、学校現場の願いをしっかりとふまえた教育施策への転換と教育諸条件の整備を求めて、今後も国会対策と省庁対応を強化していく。