身近な自然から宇宙まで 科学教育振興助成成果発表会

東京都台東区立忍岡小学校の発表
東京都台東区立忍岡小学校の発表

中谷医工計測技術振興財団は12月26日、同財団が助成する小・中・高校などの児童生徒たちによる成果発表会を都内で開催した。12月23日の西日本大会に続き、初の開催となる同発表会には、2017年度の科学教育振興助成を受けた東日本地域の46校(一部西日本地域含む)から約200人が参加。子供たちが自作のポスターや動画を駆使して、日ごろの研究成果を発表した。参加生徒たちの投票で決定するグランプリ賞には、群馬県みなかみ町立新治小学校の「絶滅危惧種『赤谷の森のイヌワシ』を保護する自然林再生・復旧の試み」が選ばれた。

同財団は科学の裾野拡大を目的に、▽授業やクラブ活動への個別助成(年30万円)▽3校以上の期間が協働で企画・運営する活動へのプログラム助成(最大100万円×2年間)▽意欲的な教員を支援するプログラム助成(最大100万円×2年間)――を、2014年度から実施している。

この日は、宇宙飛行士の山崎直子氏による特別講演「宇宙・人・夢をつなぐ」の後、全参加校を発表するグループと聴講するグループの2つに分け、前後半で入れ替える形で成果発表がスタート。東京都台東区立忍岡小学校の科学クラブの児童らは、海の生物の標本づくりや近隣の根津地区の自然環境巡検を発表。ポスターのほか、手づくりのカードやフリップを使い、クイズを交えながら身近な自然の姿を報告した。

(右から)千葉県立東葛飾高校の西澤君、志村君、花田君
(右から)千葉県立東葛飾高校の西澤君、志村君、花田君

一方、高校などでは「突然変異抑制効果を持つ物質の探索」(秋田県立秋田高校)、「CFRP焼成炉に関する製作研究を通じた学び」(三重県立伊勢工業高校)といった、専門的で高度な研究内容が多く見受けられた。千葉県立東葛飾高校は、製作した缶サット(空き缶サイズの模擬人工衛星)の落下軌道を3次元グラフとして再現する取り組みに挑戦。投下試験の模様を映像で見せたりと、聴講者に分かりやすく伝える工夫がなされていた。同校の2年生で理科部の西澤明訓君、志村行宣君、花田大地君は、部内で航空班を立ち上げ、ロケットや人工衛星を開発する環境を自分たちでつくり出した。助成制度については「思う存分やりたいことをやれたのでありがたい。いい機会をもらった」と話した。

発表を「聞く側」に回った生徒が他校の発表に質問するなど、科学を通じて、地域や校種を越えて生徒たちが積極的な交流を図る様子もみられた。