日本部活動学会が発足 理論と実践通じて在り方問う

「部活動について、地に足の付いた議論をしたい」と話す長沼教授
「部活動について、地に足の付いた議論をしたい」と話す長沼教授

部活動を学術的に分析・考察し、実践に資する「日本部活動学会」が12月27日、発足した。設立総会が同日、名古屋市熱田区の労働会館で開かれ、研究者や教員ら約150人が出席。会長に選ばれた長沼豊学習院大学教授は「理論と実践のコラボレーションを通じ、部活動について地に足の付いた議論をしたい」と述べた。

同学の設立に関わり、部活動や教員の働き方の問題について活動している、元小学校教員の小阪成洋氏は「この学会は、いま部活動で苦しんでいる人、楽しくてはつらつとして指導している人、そして、部活動に関わる全ての人のためにある。部活動をめぐる問題は多岐にわたる上に、位置付けも曖昧だ。当事者である中高生の声がどれだけ拾えるかも重要になる」と指摘した。

中教審働き方改革部会の委員で、中間まとめの作成に関わった教育新聞特任解説委員の妹尾昌俊氏は「部活動の問題点や改善策は過去にも主張されてきたが、今こそ変えるチャンスだ。『部活大好き先生』の意識や行動が変わらないといけない。子供のために一生懸命やっていても、実は子供のためになっていないかもしれない。じっくり教員同士で話し合ってほしい」と話した。

長沼教授は記者会見で、「部活動を学校でやる意図や意義を考えなければならない。今までは、部活動は善意のボランティアで支えられてきた。その結果、肥大化した風船のようになっている。部活動を考えるとは、学校は何をするところなのかを問い直す行為でもある」と話した。

同学会では、部活動の制度的な課題や、スポーツ科学に基づいた指導法をはじめ、文化部の在り方や、生徒の自治を生かした部活動、外部指導者との関係づくりなど、部活動に関わるさまざまなテーマを扱っていく。研究者による理論と、教員による実践の両方を重視し、両者の共同研究も進める。また、学会の中で議論を重ね、政策提言や実践モデルの提案も行っていく。

年1回の研究大会以外に、実践発表を中心とした研究集会も開く。研究紀要の他に、各地の部活動の実践事例を収載した「実践事例年報」も発行する。

同学会では2018年3月25日に、東京都豊島区の学習院大学で第1回大会を予定している。すでに100人を超える入会申し込みがあるという。