カリキュラム・マネジメント 全体を捉え改善を実行する組織へ

n2移行措置02・無藤白梅学園大学特任教授 無藤 隆

■従来より自覚的にやり方を整備

カリキュラム・マネジメントは今回の学習指導要領の改訂において枢要な役割を果たす考え方である。実践を見直し、それをより良くしていく営みを強化することだからである。

ただし、個々の教員がその授業実践を見直すことを含みつつも、その実践をより良くしていくのは学校全体である。もちろん従来も行われてきた。もっと自覚的に、行うべき時間・時期・組織などを明確にし、そのやり方も整備していくことで、学校の教育活動全体を捉え直し、改善すべきところへの対策を立て、実行していく仕組みをつくる。

そういった「組織としての学校」の一つとして、学校教育を実践することと同様にそれを支え、動かし、良くしていく活動を位置付けるのである。それは、広くは学校の使命のスリム化を含む再定義であり、狭くは教育活動の改善なのである。

その在り方の第一は、教職員の全体として、また多くの関係する人たちの連携を得て進めるために、カリキュラムがこうだと解説し、共有した上で、その実現の状況を見直すことである。

カリキュラムが指導要領や教科書などとして提示されていることに終わらず、本当に生徒の学力や人格の成長に有用な役割を果たしているかどうかを、実践の様子やテストなどの成績、アンケート、その他のデータを用いて検討し、論証し、説明する。さらに、その分析結果をもって今後どうするかという対策を提示していく。

■できることを見極め対策を具体化

第二は、学校としてできることは何か、無理なことは何かを見極めつつ、対策を具体化することである。漠然と良くしたいというのではなく、どういうことを実際にするか明示する。さらに、それは学校に提供された時間、人、もの、予算の枠の中でしかできない以上、制約がある。同時に、その枠を広げるために家庭や地域との連携が必要になる。学校が引き受けるべき課題と、むしろ他に任せたり縮減したりするべき課題がある。

第三は、学校は教育の専門組織として、生徒を指導し育成する目標を明示し、それとの関連で教育活動を吟味する必要がある。教科ごとの授業、とりわけ単元単位でのねらいと、それらを積み上げた先に獲得される教科等ごとの見方・考え方と、さらにそれら全体を通して得られていく資質・能力の成長との関連である。特に、資質・能力は、教科を超えてつながりを付けていくことを通して、獲得される部分が大きい。