「創造的問題解決能力」を育む 授業レシピを無償公開

慶應義塾大学SFC研究所ファブ地球社会コンソーシアムの、高大連携教育ワーキンググループはこのほど、情報教育を促進し、創造的問題解決能力を育てる「授業レシピ」の提供を開始した。レシピは、大学生向けのデジタルファブリケーション教育の授業案と、高校生向けのデジタル機器を活用した課題解決型ワークショッププログラムの2種類。

「情報技術を活用して、創造的に考え、仕事をする態度やスキルを育む」をコンセプトに、▽授業レシピは、アクティブ・ラーニングの中で活用されることを前提に開発する▽生徒や学生にとって身近な事物、事象(今起こっていること)を題材にする▽学校の環境で現実的に入手可能で、かつ先端の「情報技術」を活用する▽活用を通して、今起こっていることを創造的(斬新、革新、新規)に捉えなおし、課題解決のプロセスを実践する―――などを意識してデザインした。いずれもモノづくりレシピ共有サービスFabbleから無償で入手できる。

昨年6月に発表されたアドビ実施の調査結果で、12~18歳までの日本の子供は、他国の同世代と比較して、自分たちを「創造的」だと認識していないのが明らかとなった。また、生徒たちを「創造的」だとした日本の教員はわずか8%だった半面、約9割が「生徒が創造的になることは、将来成功する上で欠かせない」と考えていた。さらに、同社が今年1月に実施した調査によれば、日本の教員の約7割が「創造的問題解決能力」を育成するためのツールや知識習得機会が十分に得られていないと回答した。

こうした背景の上に組織された同ワーキンググループは、「創造的人材の育成に資する授業レシピの構築と実践」「未来の情報教育を先導する人材の育成」をテーマに、アドビやヤマハなどの連携企業と協業して、効果的な授業レシピの研究・開発を進めてきた。

参画企業のひとつであるアドビシステムズの佐分利ユージン代表取締役社長は、「子供たちに『自分は創造的であること』と『高度情報化社会の一員になる力があること』に気付いてもらう必要がある。今回の授業レシピがそれを促進するものと期待している」とした。