いじめ防止法とスクールロイヤーで 日弁連が意見書

記者会見した日弁連の関係者ら
記者会見した日弁連の関係者ら

日本弁護士連合会(日弁連)は1月30日、いじめ防止対策推進法の見直しと、スクールロイヤー制度の整備を求める意見書を文科省に提出し、31日に記者会見した。意見書ではいじめなどに対し、学校やスクールロイヤーが果たす役割を具体的に示した。

同法は2013年に施行され、いじめの法的定義をはじめ、いじめ防止に向けた基本方針や組織的な対応を定めている。

日弁連は同法に一定の評価をしながらも、①いじめの定義が広すぎるため、学校がいじめの認定をめぐって恣意的に解釈したり、定義から杓子定規にいじめと認定し、懲戒などの厳しい処分を行ったりしてしまう事例がある②いじめ防止対策組織の役割が明確でなく、組織的対応が十分に行われていない③重大事態への対処で、十分な調査を行うための情報入手・利用について法律上の根拠がない――などの問題点を指摘し、改正案を提言した。

具体的には、▽いじめの定義に、「加害側の優位性が認められ、かつ被害側の尊厳を侵害すると認められる」といった条件を加える▽基本理念に、いじめの有無にかかわらず、対処の必要な事態に寄り添う姿勢の重要性を明記▽学校がいじめを認めた場合の組織的な対処の仕組みや、早期発見のための外部からの通報措置の明記▽重大事態の調査の際に、関係機関から事実関係情報の提供を受けられる――などを盛り込んだ。

スクールロイヤー制度の整備を求める意見書では、制度化に向けて具体的な役割や想定される活動を提示。スクールロイヤーは学校側からの依頼を受け、内部的に助言・指導を行うものであり、学校側の代理人として対外的な活動を行うものではないとした。

具体的な活動としては、①子供の問題行動などに関する指導・助言②保護者対応③体罰やセクハラ、指導上の問題などへの対応④学校事故への対応⑤学校のコンプライアンス実現と紛争の予防――が想定される。いじめ発生時における学校の事実調査・認定、指導・支援方針のプランニング、保護者への説明などに対する指導・助言をはじめ、児童虐待や不登校、懲戒処分などに対し、学校に助言・指導などを行ったり、スクールソーシャルワーカーなどとも連携を図りながら、学校が抱える問題に対処する。また、保護者からのクレームなどに対し、早期に関わるようにし、問題の深刻化の回避や教員の負担軽減などにつなげるなどとした。

スクールロイヤー制度は2013年から大阪府で導入され、一部の自治体で広まっている。文科省でも現在、導入に向けた調査研究が行われている。