ALを支える教室空間 オランダの教育関係者らが講演

自ら関わった学校の建築コンセプトを語るヒュバート氏
自ら関わった学校の建築コンセプトを語るヒュバート氏

国立教育政策研究所は2月1日、文教施設講演会を文科省内で開催した。「アクティブ・ラーニング(AL)を支える教室空間」をテーマに、オランダの教育関係者による講演や、参加者によるワークショップなどが行われた。オランダをはじめとする世界の学校建築の事例を通して、登壇者は共通して「どのような教育活動をしたいのか」というビジョンを持つのが重要だと指摘した。

日本イエナプラン教育協会特別顧問のリヒテルズ直子氏は、オランダの一般的な学校の教室風景をスライドで提示しながら、オランダの学校制度の特徴や理念について話した。オランダでは「教育の自由」が憲法で保障され、私立校も含め、全ての初等・中等学校の校舎は自治体の費用で建設・維持される。その学校の理念や設立母体、教育方法などにかかわらず、最低限の生徒数が確保されれば学校の設立が認められており、オルタナティブスクールも普及しているという。

また、近年はワイドスクールと呼ばれる、学校や就学前教育機関、デイケアセンター、保健相談所などの複数の組織が一体となった施設が増えており、建物の共同利用を行っている。リヒテルズ氏は、「コストの効率化はもちろん、同じ場所に異なる組織が入ったので、お互いに話し合い、ビジョンを共有するようになった。それが重要だ。過疎が進む日本の地域でもこうした施設の可能性があるのではないか」と話した。

イエナプランに基づいた学校経営や教員養成に取り組んできた、「Jenaplan Advice and Schooling社」共同代表のヒュバート・ウィンタース氏は「この100年間に技術は大きく進歩したが、教育はどうだろうか。子供たちは学校はつまらないところだと思い、学校の中で学ぶものはないと思っていないだろうか」と参加者に投げ掛け、イエナプランの理念や実践を説明した。

そしてホールを中心に据え、そこで異年齢集団の学習活動などを行えるようにした学校や、重度障害児も一緒に学べるようにしたワイドスクールなど、自身が関わった学校施設のコンセプトについて話した。「学校を改革するには、その学校が教師の誇りにできるものでなければならない。施設ありきではなく、『どのように学ばせたいのか』を議論するプロセスがなければいけない」と強調した。

自身も大学の講義でALの授業を実践している柳澤要千葉大学教授は、国内外の学校や教室で行われているALの授業スタイルを解説した。

柳澤教授は「器を変えれば中身が変わるわけではない。教師が『こういう教育活動をしたい』というものがなければならない。かといって、中身が変わろうとしたときに、器が変わらないのではやりたくてもできない。今は従来型でも、将来的に新しい教育活動に対応できるような、先を見据えた柔軟な空間づくりを考えていかなければならない」と話した。

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