通信制高校ガイドライン改訂へ 非活動生徒の支援など

通信制高校のガイドラインの改訂に向けた議論をスタートさせたWG
通信制高校のガイドラインの改訂に向けた議論をスタートさせたWG

文科省は2月5日、「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン検討ワーキンググループ」の初会合を開いた。2016年9月に策定された同ガイドラインについて、添削や面接の具体的な実施方法、メディア学習による減免措置の運用の条件、1科目も履修をしていないながら在籍している「非活動生徒」への支援などを盛り込んだ改訂案が示され、検討された。

同WGは「高等学校通信教育の質の確保・向上に関する調査研究協力者会議」の下に設置されたもので、座長には、同会議の委員で全国高等学校通信制教育研究会会長の賀澤恵二日本放送協会学園高等学校長が選出された。

改訂案では、同会議で指摘された通信制高校の課題を踏まえ、①添削・面接指導とその評価②メディア学習による減免措置の取り扱い③学校設定科目や「総合的な学習の時間」の実施④非活動生徒などへの支援⑤積極的な情報公開の推進――などに関する項目が新たに盛り込まれた。

①では、添削指導は高校通信教育の根幹的な部分であるとし、▽年度末や試験前などにまとめて添削課題を提出させるような運用は行わない▽正誤や正答のみの記載、一律の解説の記載だけでは不適切であり、誤答を踏まえた解説や、生徒が自学自習を進めていく上でのアドバイスなどを示す▽生徒からの質問に速やかに回答する仕組みを整える――などが加えられた。

また、各校に面接指導について絶えず改善に取り組むよう求め、実施校以外の連携施設で面接指導を行う場合には、実施校での履修状況を十分把握し、実験や実習などが適切にできるよう、施設や設備などを含めた環境整備を義務付けた。

②では、これまでもメディアを利用して行う学習を計画的・継続的に取り入れている場合には、面接指導などの時間を10分の6以内で免除できるとし、さらに複数のメディアを用いる場合は10分の8を超えない範囲で免除できるとした。ただし、その条件は、病気療養や、いじめなどにより登校が困難であるなど、「生徒の実態等を考慮して特に必要がある場合」に限るとした。

④では、学校に在籍しながら履修登録を行わない生徒や、履修登録をしていても添削課題への取り組みや面接指導への参加が困難な生徒に対して、個々の実情に応じて適切な指導や支援を行うよう求め、そうした生徒に対しても、教育支援や生徒指導、進路指導は当然行われるべきだとした。

委員からは「メディア学習による減免措置は、生徒が減免を受けるか受けないかを選択できるのが前提だ」「公立高校では、非活動生徒が4割近くもいる。個々の実情を把握するだけでなく、積極的にアプローチしていく必要がある。担任教員が受け持つ生徒数は、非活動生徒を含めるととても多くなる。負担につながらないように適切な教員配置の検討が必要だ」「通信制に通う生徒は、諸事情で全日制を辞めて、再チャレンジするケースが多い。全日制や定時制の高校との連携も必要だ」などの意見が出た。

また、この他に事務局から、通信制高校への指導監督強化をねらった、学校教育法施行規則の一部改正に関する省令案が示された。面接指導の実施場所で連携校の施設設備を使用する場合についても、新たに学則への明記を義務付ける。来年度から施行し、1年程度の経過措置期間を設ける見通し。

関連記事