東書教育賞 最優秀賞は岐阜の宮内校長と鹿児島の原口教諭

受賞者の皆さん
受賞者の皆さん

教育現場の優れた教育実践論文を表彰する、第33回東書教育賞(共催・東京書籍㈱、(公財)中央教育研究所)の贈呈式が2月4日、東京都北区の東京書籍本社ビルで行われた。「未来を担う子どもと共に歩む確かな教育実践」をテーマに、小・中学校教員と教育関係者から応募があった127編の中から、最優秀賞2編、優秀賞4編、奨励賞5編が選ばれた。

小学校部門の最優秀賞は、宮内智鶴子岐阜県美濃加茂市立古井小学校校長による「自己肯定感をもち、他とよりよい共生ができる子の育成」。外国人児童が全体の2割、発達に障害傾向のある児童が1割在校する学校での実践。個々の自己肯定感を高める方策として「キラリ賞」贈呈など、一人一人の良さを認識させることに加え、基礎学力の習得に重点をおき、自らに自信を持たせるよう取り組んだ。また、学級や学年仲間という所属集団レベルの自己肯定感や、外国人児童との交流の中で国際理解教育にまで広げた。

中学校部門は、原口栄一鹿児島県鹿児島市立甲東中学校教諭による「中学理科3年間のまとめとして『原子力・放射線』授業」で、原子力と放射線に関する学習内容を、中学校3年間の理科の学習に関連させた実践。現行の教科枠、授業時間数枠を維持しつつ、最新の原子力と放射線に関する知識・状況を学習することを目的に、中学校1年の地学分野、中学校2年の化学分野での学習にも、放射性物質や放射線に関する学習を位置づけた。総合的な学習の時間で核戦争による放射線障害を取り上げ、3年生での「科学技術と人間」の学習を経て、まとめ学習へと結んでいる。

審査委員長の谷川彰英筑波大学名誉教授は「良い実践には3つの要因がある。①アイデア・ひらめきがあり、実践の着眼点が明確である②実践に教師としての意地とも言える信念がある③実行力がある。ただ成果は、先生方の努力だけではなく、子供たちの協力や地域も含め周辺の協力があって成り立つもの。ぜひ、自身の活動を多く皆さまに還元してほしい」と述べた。

宮内校長は「実践を通じて、子供たちが、自分が人の役にたつ喜び、他人の喜びを自分の喜びにしていく様子が見られるようになった。子供たちの成長が感じ取れるのが一番の喜びだった」と、 原口教諭は「日常的に放射線はある。科学的な内容と社会的な内容を生徒に正確に教える必要性を感じたのが、実践のきっかけ。授業も実験や仮説を立てながらのリポート作成といった、考えさせる内容とした。この実践が皆さまの参考になればと思う」と、それぞれの思いを述べた。

優秀賞以上の論文概要は小・中学校別に論文集としてまとめられ、後日、全国の学校・教育機関などに配布される。問い合わせは、(公財)中央教育研究所内「東書教育賞」審査事務局=〒114-0004、東京都北区堀船2‐17‐1/℡03(5390)7488