大学改革で三つの論点 100年時代会議が第5回会合で示す

安倍晋三首相を議長とする人生100年時代構想会議は2月8日、第5回会合を首相官邸で開き、大学改革をテーマに議論した。各議員からは、私大も含めた大学の役割・機能別の枠組みの導入や社会のニーズに応じたカリキュラム編成の実現、大学の連携・統合の制度設計などについて意見が示された。安倍首相は林芳正文科大臣に対し、省内でこれらの論点について検討し、同会議に検討経過・結果を報告するよう指示した。

同会議では、各議員の意見などを踏まえ、主な論点として①各大学の位置付けや期待される役割・機能の明確化②カリキュラム編成のプロセス③学生が在学中に身に付けた能力・付加価値の見える化④少子化時代を迎え、国公私の枠を超えた大学の連携・統合を可能とする制度や、撤退・事業承継の制度的仕組みの検討――が挙げられた。

①に関しては、国立大学ごとの強み・特色を前提に、▽地域のニーズに応える人材育成・研究▽分野ごとの優れた教育研究拠点やネットワークの形成▽世界トップクラスの卓越した教育研究――の三つの機能を強化するための重点支援策が2016年度に創設されたのを念頭に置き、私大にも同様の枠組みを設けるべきだとした。

②では、特に教育機能を重視する大学で社会のニーズに対応したカリキュラム編成が行えるよう、▽外部の意見を反映する仕組み▽実務経験教員の配置促進▽教員の教育能力向上▽経営力強化のため、民間の外部人材の理事への登用促進――などを検討すべきだとした。

③では、日本の学生は授業以外の勉強時間が世界的に見ても短く、教育の質を確保するための取り組みが不十分であるとして、学生の学習成果について、単位や卒業論文の成果物、資格取得状況など、学生が修得した知識・能力が分かる情報の把握や提供を大学が進めるよう求めた。産業界でも採用などでそれらを評価する体制を構築すべきだとした。

④では、少子化時代を迎え、国公私の枠を超えた大学の連携・統合を可能とする制度の導入や、大学そのものの撤退・事業承継の制度的な仕組みを検討すべきだとした。私立大学が公立大学に転換している例が相次いでいるのを受け、自治体の大学への関与の在り方についても検討すべきとされた。