東京23区の大学定員抑制に反対 都がシンポジウム

定員抑制の問題点を指摘する登壇者ら
定員抑制の問題点を指摘する登壇者ら

東京都は2月9日、「東京23区の大学の定員抑制に反対するシンポジウム」を、新宿区の都議会議事堂にある都民ホールで開催した。小池百合子東京都知事をはじめ、尾木直樹法政大学教授、タレントのパックンことパトリック・ハーラン氏、八代尚宏昭和女子大学教授が登壇し、国際競争や地方創生の観点から問題を指摘した。同問題に関心を寄せる市民など約250人が参加した。

シンポジウムでは、「これでいいのか!?地方創生、大学のあり方」として、①国の規制は大学の国際競争力の低下を招くのでは②「東京対地方」の構図は、日本全体にとってマイナスになるのでは③学びたいという若者の夢をつぶしていいのか――という三つの論点が提示された。

小池知事は、先日閣議決定された23区の大学の定員抑制を含む法案について、「大学の質の向上と地方創生、少子化など、問題が一緒くたになっている上に、東京対地方という構図に矮小化されている。東京対地方ではなく、日本対世界で戦うべきだ。かなり無理のある法案だ」と見解を述べた。

尾木教授は日本の大学の国際的なランキングが下がっている状況を指摘し、「海外の大学に直接出ていく高校生も増えている。国際バカロレアに認定された学校も人気だ。そんな状況で、地方対東京という議論をやっていていいのだろうか。23区内にある法政大学も改革に取り組んでいるが、それは地方でも同じはずだ。政府は頑張っている大学に対して資金援助をしていくべきだ」と強調した。

ハーラン氏は「小学生になる子供を持つ親としても、この問題は当事者だ」とした上で、「アメリカの名門大学であっても必ずしも都会にあるわけではない。また、日本と違って学生寮で過ごす文化が学生の学びにつながっている面もある。大事なのは、有意義な地方創生とは何なのか。世界と競争できる大学とは何か、という議論だと思う」と語った。

八木教授は「この法案は2002年に廃止された『工場等制限法』の再来だ。地方大学の経営悪化を防ぐという保護主義的な発想ではなく、規制緩和による国際的な競争が日本の大学には求められている」と述べ、地方創生のためには、若年層の雇用創出や産業育成などを図っていく必要があると指摘した。