女子の運動能力が上昇 中学進学に伴い二極化傾向も

「体を動かす動機付けを」と話す鈴木長官
「体を動かす動機付けを」と話す鈴木長官

スポーツ庁は2月13日、「平成29年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を公表した。実技テストでは、小・中学生共に男子は横ばい、女子は上昇傾向となる一方で、中学校への進学に伴い運動時間が二極化している状況も示された。同調査の結果を受けて記者会見した鈴木大地同庁長官は「成果を上げている学校や教委では、PDCAサイクルを重視して『体育』の工夫・改善に取り組んでいる。何よりも、体を動かす動機付けを行っているのが分かった」と強調した。

同調査は、全国の小学5年生と中学2年生を対象に、反復横跳びや持久走、ボール投げなどの実技テストと、運動習慣や生活習慣に関する質問紙調査を行い、子供の体力向上に関する諸施策や学校での指導改善を図るのが目的で毎年実施されている。

実技テストの合計得点の平均値をみると、▽小5男子 54.2点▽小5女子 42.0点▽中2男子 42.0点▽中2女子 49.8点――だった。女子は同調査を開始した2008年度以降、最高となった。

実技ごとにみると、特にボール投げの平均値と平均値以上の児童生徒が占める割合で減少傾向を示していた。10年度調査と比較すると、▽小5男子 22.52㍍ 19.9%(10年度比2.71㍍減 10.7ポイント減)▽小5女子 13.93㍍ 21.5%(同0.62㍍減 4.4ポイント減)▽中2男子 20.51㍍、42.1%(同0.77㍍減、4.8ポイント減)▽中2女子 12.88㍍、29.1%(同0.32㍍減、2.7ポイント減)――だった。

児童生徒の運動時間を分析すると、小学校から中学校にかけ、運動時間が増える生徒と減る生徒に二極化している状況が明らかとなった。運動時間で、「体育」「保健体育」の授業を除く1週間の総運動時間が60分未満である児童生徒の割合は、▽小5男子 6.4%▽小5女子 11.6%▽中2男子 6.5%▽中2女子 19.4%――となり、小5から中2にかけて男子は横ばいであるものの、女子で増加している。一方で、同じく420分(1日平均60分)以上の児童生徒の割合は、▽小5男子 56.4%▽小5女子 32.9%▽中2男子 84.8%▽中2女子 61.6%――で、男女共に小5より中2の方が高かった。

現在同庁で議論されている部活動ガイドラインが中学生の運動時間に影響する可能性について、鈴木長官は「まだ推測でしかないが、部活動の総量を制限したところで、著しく運動時間が減るというのは予想していない」と述べた。また、来年度から運動部活動に所属してしない生徒のニーズを考慮し、楽しみながら適度に体を動かせるようなスポーツ活動の実践授業をモデル地域で取り組んでいくなどし、子供の運動・スポーツ習慣の形成に努めていくとした。

同調査をまとめた報告書では、詳細な結果分析に加え、児童生徒の運動能力・体力の向上に取り組む学校や教委の事例も収載している。

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