高校新指導要領案を公表 「理数科」新設など探究を重視

文科省は2月14日、高校学習指導要領の改訂案を公表した。2003年の情報科の開設以来、約20年ぶりに教科として「理数科」が新設されるなど、高大接続改革などを視野に「探究」を重視した内容となった。改訂後のスケジュールは18年度を周知・徹底、19~21年度を移行措置期間とし、22年度から年次進行で実施となる。

新指導要領では、小・中の次期指導要領の流れを踏まえ、①知識及び技能②思考力、判断力、表現力等③学びに向かう力、人間性等――の3つの柱で、各教科での学びを再整理し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を求めた。例えば、▽情報を的確に理解し効果的に表現する▽社会的事象を資料に基づいて考察する▽日常や社会の事象を数理的に捉える▽自然の事物・現象を観察・実験を通して科学的に探究する――などの学習が、各教科・科目の中で示された。

また、言語能力や情報活用能力、問題発見・解決能力などの学習の基盤となる資質・能力、現代的な諸課題に対応するために必要な資質・能力の育成に向けて、教科等横断的な学習を充実させるなどし、習得・活用・探究のバランスを工夫するのが重要だとし、そのための各学校でのカリキュラム・マネジメントの確立を求めた。

主な改善事項として、①言語能力の育成②理数教育③伝統・文化に関する教育④道徳教育⑤外国語教育⑥職業教育――について充実を図った。

①では、国語において情報を的確に理解し、効果的に表現する力の育成や、各教科などでの自らの考えを表現して議論したり、観察や調査などの過程と結果を整理し、報告書にまとめたりするなどの内容が盛り込まれた。

②では、数学や理科で、理数を学ぶ意義や関心を高めるために、日常生活や社会との関連を重視するとともに、科学的に探究する学習活動(理科)やデータの収集・分析を通じて課題解決を行う統計教育(数学)を充実させた。また、学術研究など、創造性豊かな人材の育成を目指して、新設される理数科に「理数探究基礎」と「理数探究」の2科目を置いた。

④では、総則で道徳教育推進教師を中心に全ての教師が道徳教育を展開するよう規定したほか、公民科の「公共」や「倫理」、特別活動が人間としての在り方や生き方に関する中核的な指導を行う場面であると明記した。

⑤では、外国語(英語)に、▽読む▽書く▽話す(やり取り)▽話す(発表)▽書く――をバランスよく育成するための科目として「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」を、発信力の強化に特化した科目として「論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」を新設した。

その他にも、選挙権が18歳以上に引き下げられてから初めての改訂となるため、主権者教育に関する内容を充実。また、情報科では必履修科目として新設される「情報Ⅰ」で、プログラミングや情報セキュリティ、データベースの基礎を学ぶなど、情報教育の充実も図る。

さらに、生徒の発達の支援として、▽キャリア教育の充実▽障害に応じた指導▽日本語の習得に困難のある生徒への配慮▽不登校の生徒への教育課程――なども盛り込まれた。

同省では、新指導要領に対するパブコメを募集した後、今年度内をめどに官報で告示する。新指導要領の解説は夏頃に発行される予定。

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