新教育要領など踏まえ 幼稚園の施設整備指針を改訂へ

今後の幼稚園施設の整備の方向性を示した
今後の幼稚園施設の整備の方向性を示した

文科省の「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」は2月15日、第4回会合を開き、同会議の幼稚園施設部会で議論が進められてきた「これからの幼稚園施設の在り方(報告書案)」を議論した。報告書には幼稚園施設整備指針の改訂も含まれ、少子化やニーズの多様化、幼小連携、新幼稚園教育要領への対応などを踏まえ、年度内の策定を予定している。

幼稚園の在園者数は78年度をピークに減少傾向にあり、幼稚園数も85年以降緩やかに減少している。その一方で、保育所や認定子ども園の在園者数や数は増加しており、幼稚園でも3歳未満の児童の受け入れや預かり保育の実施など、ニーズが多様化してきた。また、幼稚園の老朽施設の割合(面積比)は公立で57.1%に上るなど、建て替えや大規模改修が今後も各地で進むと見込まれる。

報告書案は、今後の幼稚園施設の整備にあたって、設計・計画で重要となるポイントや望ましい姿を示した。基本的な考え方として、▽総合的・長期的な視点の必要性▽教育理念を踏まえた的確な施設機能の設定▽地域と共にある幼稚園施設▽関係者の参画と理解・合意の形成――を掲げた。 特に留意すべき点として、①幼児自身の興味や関心に応じてさまざまな活動が展開される屋内環境②自然との触れ合いや体を使った遊びができる屋外・半屋外環境③障害のある幼児など特別な配慮を必要とする幼児に対応した施設④教職員の活動を支えるための施設⑤家庭や地域等との連携・共同を促す施設⑥安全を確保しつつ自発的な遊びを誘発する施設⑦教育活動の変化に対応できる施設――の整備について、実際の先進事例の取り組みなども含め提示した。

例えば、遮音性や吸音性への配慮や、屋外と屋内をつなぐ半屋外空間の設置、PTAや地域住民との交流スペースの整備、採光や通風に留意したトイレの設計などが盛り込まれた。また、安全に配慮した上で、子供が自然と触れ合ったり、体を動かしたりしながら、自発的な遊びを誘発する空間づくりも求められた。

委員からは「例えばカリキュラム・マネジメントの視点など、幼稚園教育要領の改訂方針について、もう少し明確に示すべきではないか」「近年、都市部では幼稚園施設の建設に近隣住民が反対するケースがある。近隣住民の理解を促すためにも、設置者と自治体の連携を盛り込んではどうか」などの意見が出た。