高校生の研究が米国の学術雑誌に 再生医療に応用期待

大阪大学はこのほど、同大で研究活動を行った高校生が、家庭用3Dプリンターで生きた細胞などさまざまな形の構造体を作製できる研究成果に深く関わり、成果をまとめた学術論文の共同研究者の1人として、アメリカの学術雑誌に掲載されたと発表した。同研究は、患者や部位によって異なる形状の身体組織や臓器が求められる、再生医療分野での応用が期待されている。

同研究に取り組んだのは、大阪府の四天王寺高校3年生の森陶子さん。高校生が同学で研究活動を行うSEEDSプログラムの受講生として、2年間にわたり研究活動を行ってきた。森さんは、蛍光灯の下で短時間にゲルを形成させるための研究に取り組み、その過程で、可視光の照射によってアルギン酸の誘導体がゲルになる条件を見いだし、その結果が、掲載された学術論文の重要な一部となった。

境慎司同学教授らの研究グループは森さんの成果を応用し、家庭用3Dプリンターを使って、細胞を含んだ厚さ0.05ミリ程度のアルギン酸誘導体ゲルの層を積層していくことで、血管のような構造体など、さまざまな形のものを作製するのに成功した。将来的には、iPS細胞から得られるさまざまな細胞を使った、3Dプリンターによる身体組織や臓器の作製に利用できる可能性がある。

同教授は「高校生との研究は柔軟な発想に驚かされることが多く、普段の研究のヒントに気付かされることも多くある。このような機会を通じて、1人でも多くの中学生・高校生が研究に興味を持つようになり、将来、志してくれるとうれしい」とコメントした。

同学術論文は、2月2日に公開されたアメリカ科学界の査読付き雑誌『Biomacromolecules』に発表された。

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