高校進学で心理的に成長する生徒 その特徴が明らかに

中央大学は2月16日、高校進学をきっかけに心理的な成長を遂げる生徒の特徴が明らかになったと発表した。同研究は、中学校から高校への移行(進学)後に、ポジティブな性質が発達するメカニズムを実証的に示した、世界で初めての研究となる。

同学文学研究科に在籍する飯村周平日本学術振興会特別研究員と、ニュージーランドの宅香菜子オークランド大学准教授との共同研究で、思春期・青年期における発達心理学の国際的な研究雑誌『Journal of Youth and Adolescence』のオンライン版に公開された。

これまで、高校進学による環境変化などにより、不安や抑うつなどが起こりやすくなる「高1クライシス」が指摘されてきた。その一方で、高校進学をきっかけに、中学生の頃よりも良好な人間関係を築いたり、ストレスに対して強くなり、将来をしっかり見据えたりするような、ポジティブな発達を遂げる生徒もいる。

同研究では日本の中学3年生300人を対象に、高校入学前の3月にインターネット調査を行い、入学後の5月にも同じ集団にインターネット調査を実施した。

その結果、ポジティブな成長がみられた生徒は、高1の5月の段階で①進学に関連したネガティブな思考が生じている②進学が自分にどのような意味があるかなどの、建設的な思考が生じている③周囲の人からサポートが得られると実感している――といった特徴が確認された。

また、ポジティブな発達には、進学経験を振り返って自身の成長を知覚する側面(知覚された成長)と、進学前後での実際の変化としての側面(実際の成長)があり、高校への進学を、自身にとって重大な転換点であると評価した生徒には、知覚された成長と実際の成長の関係に正の相関がみられた。