19年度からデジタル教科書併用へ 反転授業への対応も

政府は2月23日、デジタル教科書を紙の教科書と併用して使用できるようにする目的で、学校教育法や著作権法など関連法の改正案を閣議決定した。2019年度からの施行を予定している。「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善や、障害などにより紙の教科書では学習が困難な児童生徒の支援につなげる。また、学校のICT利活用を促すため、反転学習などに対応した著作権法の改正も行われる。

改正するのは、学校教育法、著作権法、文科省著作教科書の出版権等に関する法律の3法。

学校教育法の改正では、小・中・高校での教科書の使用義務に関して、検定済教科書と同一の内容のデジタル教科書があれば、教育課程の一部で通常の紙の教科書に代えて使用できるようにする。また、視覚障害や発達障害などがある児童生徒で、デジタル教科書の文字の拡大や音声読み上げ機能などを活用すると学習上の困難を低減できる場合には、教育課程の全部でデジタル教科書を代用できるとした。

高校の専門教科や特別支援学校などで、検定済教科書がない場合に使用する図書教材についても、同様にデジタル版の教材を使用できるとした。さらに、民間企業による教科書の発行がなく、文科省著作教科書が発行される場合では、デジタル教科書の出版権を文科大臣が設定できるように、文科省著作教科書の出版権等に関する法律を改正する。

こうしたデジタル教科書の普及や学校のICT利活用を促進するため、著作権法も改正する。

第33条の「教科書等への掲載」を改正し、デジタル教科書も、紙の教科書と同様、文学作品などの著作物については、権利者の許諾を得ないで掲載・利用するのを認める。著作権者に支払う補償金制度も、デジタル教科書の利用に対応する。

また、教育の情報化に対応するため、第35条の「学校その他の教育機関の複製」に関する規定などを改正する。教員が他人の著作物を使って作成した教材を、インターネットなどのネットワークを通じて児童生徒の端末に送信する行為について、新たに著作権者への許諾が不要となる。これまでは他人の著作物を利用するたびに、個々の著作権への許諾とライセンス料の支払いが必要とされてきたが、反転学習の普及などに伴い、授業そのものや予習・復習でネットワーク上に教材を置くケースが増えており、改正後は著作権者への補償金の支払いで対応するようにする。同規定の施行については、政令で定めるとしている。