新指導要領で有識者シンポ 「教師が主体性発揮を」

道徳科の授業実践を報告する東京都中野区立塔山小の幸阪教諭(左)
道徳科の授業実践を報告する東京都中野区立塔山小の幸阪教諭(左)

総合初等教育研究所主催の第21回教育セミナー(文科省・東京都教委後援、文溪堂協賛)が2月24日、都内で開かれ、教委関係者や教員、学生ら約650人が参加した。テーマは「新教育課程に基づく授業の構想―資質・能力の育成を目指して」。新学習指導要領について有識者によるシンポジウムが行われ、主体的・対話的で深い学びを念頭に置いた授業の在り方などが議論された。

シンポジウム「新学習指導要領の実施に向けての課題」では、天笠茂千葉大学特任教授が「新学習指導要領の目玉となるものとは」と題して基調提案を行った。

同教授は、全体像を押さえることが大切だとし、改訂のポイントとして、「道徳の教科化」「英語教育の充実」「アクティブ・ラーニング」を挙げた。

その上で、社会に開かれた教育課程の理念を実現するため、「学びの地図」「アクティブ・ラーニング」「カリキュラム・マネジメント」の3つを念頭に置きながら、「新学習指導要領の総則に目を通して、改訂に備えてほしい」と述べた。

改訂のポイントなどが議論されたシンポジウム
改訂のポイントなどが議論されたシンポジウム

シンポジウムには、同教授のほか、針谷玲子東京都台東区立蔵前小学校長、清水静海帝京大学教育学部教授が登壇し、北俊夫国士舘大学教授がコーディネーターを務めた。

主体的で対話的な深い学びを念頭に置いた授業の在り方や、改訂を受けた教育現場の反応、教育の質を高める方法論など、新学習指導要領を軸に多岐にわたって議論。

道徳教育に詳しい針谷校長は、「特別の教科 道徳」の評価に関して、「授業のどこを切り取って通知表に書くのか、評価の資料をどう集めるか、指導計画に位置付けてどう授業の流れを見取っていくか。細部を考えると、まだまだ難しい側面がある」と述べた。

また清水教授は、主体的な学びの実現へ向け、教員自身が主体性を発揮する必要があるとの見解を示した。

栃木から訪れた女性は、シンポジウムを受けて、「求められる資質・能力を学校の職員全員で考えていくことが大切だと分かった。自信を持って進めていきたい」と語った。

このほか、各教科の分科会も行われ、「特別の教科 道徳」については「自ら考え、共に議論する道徳科の授業づくり」をテーマにした実践事例が報告された。

登壇した東京都中野区立塔山小学校の幸阪芽吹指導教諭は、「主体的・対話的で深い学びと評価の基準(第3学年)」と題し、児童に問題意識をもたせる工夫、一面的な見方から多面的・多角的な見方へと発展させる発問の工夫などを発表した。