待機児童問題「一歩前に」 保護者らがイベントで訴え

待機児童の解消や保育の質の改善を訴える参加者ら
待機児童の解消や保育の質の改善を訴える参加者ら

待機児童の解消や保育の質の改善を求める保護者らによる、待機児童問題を考えるイベント『#保育園に入りたい を本気で語ろう2018』が2月26日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で開かれた。子育て世代の保護者や保育関係者ら約100人が集まったほか、複数の政党から議員が出席し、パネルディスカッションやワークショップが行われた。主催の「希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会」の天野妙代表は、待機児童問題の解決に向けて、「今年は超党派でもう一歩前に進みたい」と訴えた。

パネルディスカッションに登壇した駒崎弘樹NPO法人フローレンス代表理事は、待機児童が約32万人いるとされる国の算定を疑問視し、「潜在的な待機児童はもっと多いのではないか」と問題提起した。さらに「子供を育てるために仕事を辞めざるを得ないというのは、『官製失業』ではないか。保護者の所得にもダメージを与え、子供への貧困の連鎖にもつながってしまう」と指摘した。

ライターの高橋順子氏は、多角的な少子化対策を実施し、合計特殊出生率の回復を果たしたフランスの保育政策を解説した。フランスでは0~3歳までは保育学校が受け皿となる一方で、保育園を選ばない保護者にも補助金を出したり、企業に育休取得者の権利を保障するよう罰則規定が設けられたりしている。また、保育士の業務は保育に専念できるようになっており、書類記入などの事務作業や施設の清掃業務は課せられないという。同氏は「日本は保育にどうしてお金をかけないのか、しつこく言っていくべきだ」と強調した。

ツイッターなどで保育園の日常を発信している保育士の「てぃ先生」は、「例えば、保育士は夕方のお迎えで保護者に渡すため、連絡帳に今日の子供の様子を手書きしている。お昼寝をさせている間に書くので、休憩も十分に取れない。ICT化すれば、子供が退園した後に記入し、保護者にメールで連絡できるが、全く普及していない」と話し、保育士の厳しい業務環境にも関心を持ってほしいと話した。

ワークショップでは、保育士の負担軽減策や予算の配分など、保育政策に関わるさまざまな問題について参加者同士で議論。参加者からは「中高生や若者世代を対象に、ライフプランや子育てについて考える授業の実施」「保育士の負担軽減や待遇改善に向けた啓発活動」「連絡帳の廃止を含めた見直し」などのアイデアが提案され、あらゆる世代や地域で問題意識の共有が必要だとする意見が多く出た。

同会では今後、待機児童の目標値の見直しや、就学前教育の無償化よりも待機児童の解消(全入化)の実現を優先するよう、国などに求めていくとしている。