SNS相談窓口WGが最終報告案を調整 SNS以外も対象に

冒頭であいさつするWG主査の森田洋一鳴門教育大学特任教授
冒頭であいさつするWG主査の森田洋一鳴門教育大学特任教授

いじめ防止対策協議会の「SNSを活用したいじめ等に関する相談体制の構築に係るワーキンググループ(WG)」は2月28日、第5回会合を開き、最終報告案「SNS等を活用した相談体制の構築に関する当面の考え方」の調整を行った。最終報告案では、SNS以外の一部のサービスも対象に含まれた。また、SNSの相談窓口を開設している大分県と、一部の県立高校などに「通報アプリ」を試験導入した熊本県の事例報告が行われた。

最終報告案では、これまでの議論を踏まえ、対象をSNSだけでなく、通報アプリやチャットにも広げるため、全体にわたって「SNS等」と表記するようにした。

さらに、スマートフォンを持っていない児童生徒への配慮から、児童生徒に貸与するデジタル教科書が入ったタブレットなどに、相談アプリなどをあらかじめインストールしておくことや、SNSの相談窓口体制に関する民間協議団体などとの連携も示された。最終報告案は調整の上、今年度中の提出を目指す。

会合では、事例報告も行われた。大分県では2016年度から、県内の小学4年生~高校3年生までの児童生徒と、教員や保護者を対象に、電話、メール、LINEによる相談窓口を、月・水・金曜日の午後1時~5時30分の間、開設している。17年6月~18年1月末までの相談件数は107件で、LINEによるものが91件、電話が16件だった。児童生徒からの相談のほとんどはLINEで、教員や保護者からの相談は電話が大半を占めた。

「写真と動画を無断で友達に投稿されたが、どうすれば削除してもらえるか」「YouTubeに動画を配信したところ、コメント欄に本名や住所、誹謗(ひぼう)中傷が書き込まれてしまった」などといった相談が寄せられ、5人の相談員が具体的な対応策などを助言した。相談内容の半数以上は、具体的な悩みというよりは、誰かとやり取りをしたいという様子がうかがえ、感情的な言葉を送ったり、スタンプを連続投稿したりするケースもみられたという。

また、いじめの認知件数は減少しているものの、ネットいじめの割合が近年増加傾向にある熊本県では、今年9月から、県内の五つの県立高校などに通う生徒2589人に対し、通報アプリを試験導入した。9月~12月までの通報件数は58件あり、そのうち4件がいじめに関するものだった。

通報アプリの導入によって、いじめの重大事態に発展しかねない事案の早期発見・解決や、生徒にいじめの抑止力につながる意識が生まれたという。また、アンケートを分析したところ、テスト送信を実施したクラスでは、そうでないクラスと比べて、「アプリの導入で、友人やクラスメートを助けてあげられそうか」という問いに対し、好意的な傾向が顕著に現れた。

同県では、来年度以降に全ての県立中学・高校での本格導入を目指している。