ワークルール教育推進法の制定求め集会 今国会に提出へ

超党派議連が今国会での法案提出を目指す
超党派議連が今国会での法案提出を目指す

労働基準法をはじめとする、働く上で知っておくべき法律や制度を学ぶ機会を確保するための「ワークルール教育推進法」の制定を求める市民集会が2月27日、東京都千代田区の参議院議員会館で開かれた。ブラックバイトや働き方改革など、労働問題が注目を集める中、学校や社会でワークルールについて学ぶための環境整備を図る。現在、超党派の国会議員による非正規雇用対策議員連盟(尾辻秀久自民党参議院議員会長)が、今国会での法案提出を目指している。

同議連の国会議員をはじめ、弁護士や関連する団体からの代表者など、約120人が出席し、同法案の検討や、ワークルール教育の実践事例などを話し合った。

同法案にうたわれているワークルール教育では、労働に関する法令や社会保障制度について学ぶとともに、権利侵害にあったときなどに救済を求めたり、相談したりできるようにするための知識や態度を育てる。学校教育だけでなく、職場や地域、家庭などでのワークルール教育の実施も想定されており、環境整備に向けた国の財政措置や基本方針の策定、推進会議の設置なども求める。

ワークルール教育は、すでに一部の学校現場でも実践されている。実践事例を報告した千葉県の専修大学松戸中学校・高校の石井香吏講師は、高校1年生の「現代社会」の授業で、弁護士を招いてワークルールを学ぶ1時間の授業を一昨年から実施している。「将来、労働問題に遭遇したときに、おかしいと気付ける感覚や、困ったときに助けを求める方法を学ぶのが大切だ。教員の仕事量はパンク寸前で、物理的な時間もない。どの教員、どの学校でも取り組める教材を開発していく必要がある」と話した。

本田由紀東京大学教授は、複数の高校でワークルール教育の効果に関する実験授業を行った。同教授によれば、授業後の調査で、授業を受けた生徒はワークルールに関する知識だけでなく、態度や意識でも変化がみられた。1年後の同じ調査でも、生徒の定着率は高かった。しかし2年が経つと、授業を受けた生徒とそうでない生徒で差がなくなってしまったという。

同教授は「ワークルール教育は繰り返し思い出してもらうことが重要だ。たった1回の授業だけで終わってしまい、かえって個人の自己責任が強化されるようなものになってはいけない」と指摘した。

石倉正仁全国社会保険労務士会連合会副会長は「ワークルールは労働法だけでなく、社会保障なども含まれる。社会貢献事業として、社会保障教育の出前講座を全国の高校や中学校で取り組んでいるが、その中で、学校の先生自身から『私たちに教えてください』という声が上がっている」とし、学校の働き方改革が進む中で、教員自身がワークルールを学ぶニーズも高まっていると話した。