人口減少時代の社会教育の役割 文科大臣が中教審に諮問

文科大臣代理の丹羽秀樹副大臣(左)と北山会長
文科大臣代理の丹羽秀樹副大臣(左)と北山会長

中教審は3月2日、第116回総会を開いた。林芳正文科大臣は「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策」を、北山禎介同審議会会長に諮問した。人口減少を迎える中で、高校生などの若者をはじめとする地域住民が「地域課題解決学習」に取り組んでいくための、社会教育の役割を検討する。また、第3期教育振興基本計画も、近日中の答申に向けた答申案の最終調整が行われた。

今後の日本社会は、少子高齢化や地域の衰退など、人口減少によるさまざまな課題を抱える。地域住民の一人一人が充実した人生を送り、持続可能な社会を実現するためには、地域住民が、コミュニティの将来像を共有し、地域づくりの実践につなげる「地域課題解決学習」を、社会教育の概念に明確に位置付ける必要がある。

そのような背景を踏まえ、諮問では①関係者の連携と、住民の主体的な参画による、新しい地域づくりに向けた学習・活動の在り方②公民館、図書館、博物館などの社会教育施設に求められる役割③これらの社会教育施設が、求められる役割を果たすために必要な具体的方策――について、審議を行うよう求めた。

特に①では、▽地域課題解決学習の取り組みを進めるための行政、教育機関、企業、NPO法人などとの連携▽高校生・大学生などの若者を、地域の課題解決の取り組みに巻き込むための方策▽学校や地域での社会教育主事等の積極的な活用――などの検討が示された。

会合では、第3期教育振興基本計画の答申案も協議された。

答申案では新たに、「今後の教育政策の振興に当たって特に留意すべき視点」として▽客観的な根拠を重視した教育政策の推進▽教育投資の在り方▽新時代の到来を見据えた次世代の教育の創造――の項目が追加された。OECD諸国との教育費の公財政支出の比較や、幼児教育・高等教育の無償化政策などを踏まえ、各政策の目標達成や施策実施に向けた財源措置の必要性が掲げられた。

また、目標16の「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導体制の整備等」では、「学校における働き方改革の実現により、教職の魅力を高めるとともに、その魅力を発信することで、教師を志望する者の増加を図る」とする文言が追加された。

答申案は、会合で各委員から出された意見などを反映させ、近く林文科大臣に提出される見込み。